ガンホーの『ラグナロクオンライン』での通貨不正作成で思うこと(5)

2006年07月23日 18:00

先に【ガンホー(3765)、元職員による同社『ラグナロクオンライン』への不正アクセスを発表】で報じた、ガンホーの元職員による大量のゲーム通貨偽造事件。情報の再整理と検証、最後。先に「最後」と書いたが、当方の主観による「まとめ」の部分は別ページにした方が良いと判断したので、このようなページ構成にしてみた。

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9.まとめと個人的所見

ガンホーをはじめとするネットワークゲーム運営会社の、(半有価証券的な価値を持つゲーム内データを含めた)情報の管理への取組の甘さとそれがもたらすトラブルは、これまでに何度と無くニュースとして報じてきた。どんなに厳重にルールを策定し指導をしても、どうしてもイレギュラー要素は存在するし、ミスや不祥事は発生しうる。これはどうしようもない。

だが一部運営会社においては、その「許容しうる範囲」をはるかに超えた割合で「あってはならないこと」が起きている。そもそもそういうことを軽視する企業体質なのか。あるいは「うちはこういうところ。(すでに大量の顧客を得ていて問題ないから)それでもいいって人だけついてきな。いやならやらなきゃいいじゃない」という思いなのか。心のうちは分からないが、情報でメシを食べているにも関わらず、あまりにも「情報」の重要性を認識していないような印象は強く感じ取れる。

繰り返しになるが、ある一定数以上の会員を集めたネットワークゲームは、単なるゲームでは済まされない。仮想社会を構築するコミュニティーであり、それを管理する会社はその会員数に相当する一地方公共団体、一国の政府や財務当局と同じ重荷を背負っていると認識すべきである。

管理運営する分野は実際の政治運営と比べればはるかに少ないが、それでもさまざま専門分野における考察をし、対処をし、不祥事を防ぐ努力を続けねばならない。さもなくば「本当の」公権力の介入が行われるか、住民そのものがあきれ返り場を離れてしまうことだろう。

【職業・デザイナー、供給先・世界中、お店・ゲーム内……仮想世界のビジネスチャンス】にもあるように、ネットワークコミュニティにおける経済活動は、巧みなコントロールと正しい規律によって運営されれば、無限の成功事例を産み出す素晴らしいお宝になる可能性を秘めている。

その可能性を怠慢な行為や目先の利益で踏みにじられ、実現を先延ばしにされ、芽をつまれてしまうのはたまったものではない。

関係各団体は早急なる対応策や啓蒙活動など、出来うる限りの手を打ち、将来を見すえた上で行動に移してほしいものだ。今や「現場」に影響力を持たない当方としては、そういう提言を今サイトからすることしか出来ないのが残念でならない。

……まぁ上場企業に対しては、最小取引単位でも株主になり、株主総会で提案するという手もあるのだが。それはまた別の話。


■関連記事:
【ガンホーの『ラグナロクオンライン』での通貨不正作成で思うこと(1)】
【その(2)】
【その(3)】
【その(4)】
【その(5)】


(最終更新:2013/08/27)

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