職業・デザイナー、供給先・世界中、お店・ゲーム内……仮想世界のビジネスチャンス

2006年02月15日 12:10

Second Lifeイメージ【HOT WIRED Japan】に、仮想世界のファッション・デザイナーに関する記事が掲載された。多人数同時参加型のネットワーク(ゲーム)では登場するアイテムなどで自分のデザインセンスを披露する人や、ゲーム世界における「デザイナー」を演じたり実際に自分のブランドを作る人はよく見かけるが、記事に登場するグリンネルという人は、ゲームの中のデザイナーとして「実際世界での」生計を立てられているのだという。

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Second Lifeイメージ記事によればグリンネル氏が「働く」店は仮想世界ネットワークシステム【Second Life】の中にある。この世界ではすべてのコンテンツをユーザーが作らねばならない(逆に言えば、ゲーム内のルールに従えばオリジナリティあふれたものが何でも作れるわけだ)。グリンネル氏は自分の「店」で、各プレイヤーが自分の分身としてゲーム内で活動する「アバター」の外見を変えられる洋服やスキンを販売する。

店をはじめて一か月で、現実世界の収入を上回るキャッシュをゲーム内の店舗で得られるようになり、三ヵ月後には本業を辞めても生きていけるめどがたったという。今では「Second Life」でグリンネル氏は身を立てている。収入は前職の4倍を超えているという。

グリンネル氏は自分のデザインセンスをゲーム内で活かせたわけだが、その他にも「Second Life」では複数の地主や通貨を売買する投機家が、実世界の生計を立てられるほど稼いでいる。

グリンネル氏デザインの「デザイナーズブランド」ショップ
グリンネル氏デザインの「デザイナーズブランド」ショップ

この『Second Life』の利用者は13万人。一か月で500万ドルもの現金がユーザー間でやり取りされているという。記事では大学の医療機関がリアルなシミュレーションを再現するために、あるデザイナーに訓練用の診療所を『Second Life』内に設置するよう依頼した。もちろん仕事としての依頼だ。医療機関側でも、低コストで訓練ができたと成果を評価している。

デジタル世界における「起業」は、その世界のサービスが中止されたりルールが運営側によって変更される可能性など、一気に終了してしまうという大きなリスクがある。だがその一方で、実物の材料を用意する必要はなく、アイディアと才能(そして元手)さえあれば、そして働く舞台となる「仮想世界」のシステムがしっかりとしたものであれば、素晴らしいビジネスを産み出す可能性がある。しかもインターネットを経由しているから、市場はワールドワイドに存在しうる。

今記事のグリンネル氏のような「仮想世界でのデザイナー」にしても、身近では【Yahoo! Japan】におけるアバターの有料アイテムのデザインがそれに該当する。スキルとそれを活かせる場がマッチすれば、ビジネスは成り立ちうる、それが現実世界だろうが仮想世界だろうがおかまいなしに、ということだろう。もちろん自分が根をおろすための「仮想世界」がそれなりに確かなシステムと、市場を形成できスケールメリットを活かせるだけの「住民」が居ることが前提となる。

かつて多人数同時参加型ネットワークゲームがブームになりだしたころ、本格的な経済システムと、ゲーム内の貨幣・現実の現金との相互完全互換をうたった『ユートピア』というゲームの開発が行われていた。当時としては斬新過ぎたのかあるいは他の問題があったからなのか結局そのタイトル自身は発売されることは無かったが、その方向性は間違っていないようである。

今回参照した記事は「上編」とのこと。続きが楽しみだ。

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