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2006年07月17日

クラミジア検診(性病・性感染症)

2006年07月17日 08:30 | 解説 , 性病

クラミジアについて

クラミジアとは、ウイルスより少し大きい細菌の一種で、0.3ミクロン程度の大きさとされています。通常の細菌よりは小さいので、ウイルスと細菌の中間的な病原体ともいえるでしょう。クラミジアは独自の代謝エネルギーを生産する仕組みが無く、細胞内でしか増殖しない特性から細胞偏性寄生性細菌ともいわれています。

クラミジアは人に感染すると細胞内で増殖し、ある程度増えるとその細胞自身を破壊して他の細胞に侵入するという、まさに「エイリアン」的な特性を持っています。時々芸能ニュースでもその名を聞かれるように、近年増加している性感染症の中でももっとも感染報告の多い性病です。

クラミジアには大きく分けると感染ルートや病状などから「クラミジア・トラコマチス」「オウム病・クラミジア」「クラミジア・ニューモニエ」の3タイプに分けられます(もう一つ「クラミジアトラコマチス」がありますがこれはウシやヒツジの病原菌で人間への感染例はありません)。

最近では性への意識の変化から感染率が高いことでも知られています。特に若年代の女性の感染率が高いのは社会問題とされるべきでしょう。また、クラミジアに感染していると、HIVの感染率が高くなるともいわれています(これは「クラミジアに感染するような性行為に対する生活習慣をしているとHIVに対する考え方も甘くなる」という結果なのでしょう)。

クラミジアの原因

クラミジアは性行為によって、感染者から移される場合がほとんどです。一般に、感染症のヒトと性的交渉を持つと約50%の確率で感染するといわれています。性交渉のスタイルの多様化や風俗産業の変化などから感染ルートは複雑化しつつあります(直接性的交渉以外にも、唾液などを通じて感染する場合もあります)。

クラミジアの症状

他の性病と同じく、性別によって症状が大きく異なるのがクラミジアの症状です。男性の場合は尿道炎になることが多く、また排尿時に尿に「しみる感覚」があったり痛みを感じたりかゆみを覚えたり、濃い分泌液が出たりします。また、副こうがん炎や前立腺炎を起こす場合もあります。

女性の場合は男性と比べると症状が軽く、また専門医でもなかなか症状によるクラミジアの特定がしにくい場合もあります。この点が同じ性病でも淋病と大きく違う点です。たいていは下腹部への痛みやおりものが出る程度ですが、ぼうこう炎のような症状を起こす場合があります。ただし気が付かずに放置していると、骨盤にまで達して影響を及ぼし、不妊症を引き起こしたり、母子感染のきっかけになることもあります。

クラミジアの予防

他の性病同様に、避妊具を用いて直接的な病原体の感染防止を図ることが一番簡単で確かな方法です。また、自覚症状の薄い性病の一つでもあるので、自分自身はもちろん、パートナーへの定期健診も欠かせません。早めに検査し発見できれば、抗生物質の投与によって数週間で完治させることが可能です。手遅れにならないよう、日頃からの心構えが重要といえるでしょう。

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