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2006年07月17日

淋病検診(性病・性感染症)

2006年07月17日 08:27 | 解説 , 性病

淋病(りんびょう)について

淋病とは性病の中では有名な病気の一つで、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)を病原菌とする性感染症です。男性・女性共に発生しえます(男性の方が多いですが)。感染率は約30%といわれています。ペニシリンなどの抗生物質による効果的な対菌薬や医療機関の整備のおかげで1984年をピークに減少しましたが、1990年代半ばからは性習慣の乱れからか再び増加しつつあります。クラミジア感染症と同時感染している場合も少なくありません。

淋病にかかると尿道が炎症を起こして尿道内部が狭くなり、尿の勢いが低下します。そして尿そのものがしずくを垂らすようにしか落ちてこなくなるので、「林の中で木々の葉から雨がしたたり落ちる」ようなイメージから「淋」という文字が付けられました。淋病にかかると異性との性交渉がはばかられて寂しくなるから、という意味ではありません。

なお最近では性慣習の変化からか、特に男性では20代、女性では10代後半から20代と、比較的若い層に発症者が多いのも特徴です。

淋病の原因

淋病は淋菌を発生源としますが、この菌はヒトにしか感染しない菌で、なおかつ温度の変化に弱く20度以下、あるいは40度以上で死滅します。よって空気感染などのは考えられません。ほとんどの場合、淋病は保菌者との性交渉によって、粘膜へ菌が接触することで感染します。直接の性行為でなくとも、キスなどで唾液経由で感染する場合もあります。またかつては出産時に淋病を持つ母親の産道を通過した新生児の目に感染することがありましたが(母子感染)、今では化学療法剤の点眼で予防することができます。

淋病は直接接触でないと感染しませんが、同時にその場合の感染率が高いことでも知られています。

淋病の症状

淋病の場合男性と女性では発症確率は男性の方が高く、また症状も大きく異なります。感染してから発病するまでには個人差がありますが早くて三日前後、遅くて一か月強で発病するようです。

男性の場合、感染後排尿時に痛みを覚えるようになり、また尿道口から白いウミが出るようになります。一方女性の場合は、性器にかゆみが生じたり、おりものの量が多くなりますが、男性と比べると症状からでは発症したことが分かりにくいのが難点です。女性の場合は発見が遅れると、子宮などに感染が広まり、不妊症になる場合もあるので注意が必要です。

また淋菌は組織を破壊する能力を持っているため、さまざまな合併症を伴う場合があります。

淋病の予防

菌保有者、発病者との間で粘膜接触をしないよう心がけるのが一番です。とはいえ相手が菌保有者であるかどうかは本人も含めて分からない場合が多くあります。性行為時には(菌接触を避けるため)避妊具の使用を心がけるべきでしょう。

また、淋病であるかどうか分からない相手との性行為、すなわち不特定多数の異性との性行為は自粛するのが感染予防のもっともスマートな方法といえます。

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