「郵便局の民営化」で何が変わる?(番外編)「貯金」と「預金」

2007年09月28日 19:35

預貯金イメージ郵政民営化を間近にひかえ、色々とまとめた特集『「郵便局の民営化」で何が変わる?』はあちこちから反響をいただき、書き手冥利に尽きるところがあった。そこでいよいよ実際に来週から民営化スタートになるのにあたり、記事執筆時に心残りだった事柄に終止符を打っておきたい。それは【「郵便局の民営化」で何が変わる? (3)郵便貯金分野】でもふれた、『民営化して「ゆうちょ銀行」になっても、やはり「貯金」のままなのか』という問題だ。

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「預貯金」という言葉があるくらいだから、「預金(よきん)」も「貯金(ちょきん)」もあまり意味に違いはない。両方とも金融機関にお金を預ける行為を指すのだが、一般には「法的保護制度」「預け入れ場所」の点で「貯金」と「預金」を区別する。すなわち

■貯金
・郵便局、農協、漁協で取り扱われるもの
・郵便貯金は【郵便貯金法】、農協や漁協貯金は【農水産業協同組合貯金保険法】で保護されている。
・元々は貯蓄を目的とするもの。

■預金
・「貯金」以外の金融機関で取り扱われるもの(都銀や地銀、信託銀行、信用金庫、信用組合……)
【預金保険制度】で保護されている。
・元々は決済を目的とするもの。


という違いがある。つまり法的根拠(法文上「貯金」と記載されている)があるわけだ。

では、郵政民営化の実施により、郵便貯金が「ゆうちょ銀行」になったらどうなるのか。前身は郵便局でも「ゆうちょ銀行」は民間企業に違いない。郵便貯金法は廃止され、政府保証は無くなり、ゆうちょ銀行に預け入れたお金は預金保険制度で保護されるようになるのは以前お伝えしたとおり。

ゆうちょ銀行の口座で取り扱われるのは、「預金」に変わるのか、それとも「貯金」のままなのか。

郵政が民営化されても
郵便局扱いのお金は
これまで同様に
「貯金」と呼ぶ

結論からいうと、「日本郵政株式会社」傘下の郵便局内でのものも含め、ゆうちょ銀行で取り扱われるものは、これまで通り「貯金」と呼称する

郵便貯金法が無くなるので「郵便貯金」という呼び方はなくなるが、ゆうちょ銀行では引きお金を続き取り扱いすることを「貯金」と呼び、商品もそのように呼称する(日本郵政公社に電話で確認済み)。

【日本郵政株式会社内のゆうちょ銀行に関する解説】では、「預金、送金・決済および資産運用サービスなど」という表記もあり、内部でも一部混乱がみられるが、ゆうちょ銀行ではそのように呼び続ける。もちろん農協や漁協で扱われるものも「貯金」のまま。

例えが少々乱雑かもしれないが、民営化されても国鉄を「私鉄」と呼ぶ事はなく、他の私鉄会社(例えば東武鉄道や西武鉄道など)と区別して「JR」と呼ぶことが多いのと同じようなもの。

たとえ郵政事業が民営化されても、「郵便貯金」の魂は言い回しと共にゆうちょ銀行に引き継がれる。そう覚えておけばよいだろう。


■一連の記事:「郵便局の民営化」で何が変わる?
【(1)そもそも郵政民営化とは】
【(2)簡易保険分野】
【(3)郵便貯金分野】
【(4)郵便分野】
【(5)手数料】
【(6)あと一週間で出来ること】
【(番外編)「貯金」と「預金」】

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