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2006年07月17日

活性酸素検診(生活習慣病)

2006年07月17日 07:48 | 解説 , 生活習慣病

活性酸素について

酸素は元々人間をはじめすべての生物に必要不可欠な物質ですが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」の言葉通り、その効力が強すぎても害をなす場合があります。活性酸素とはまさにそのような物質で、文字の表記にある通り「活性化された酸素」、すなわち「酸化力の強い酸素」のことを指します。

通常の酸素が電気的に中性であるのに対し活性酸素はマイナスの電子を持っているため、安定を図ろうとして他の分子からプラスの電子を強引に引き抜こうとしてしまいます。もちろん電子を引き抜かれた側は電気的に不安定な状態になり、分子としての形を成さなくなる場合もあるのです。

りんごが茶色くなったり鉄が錆びるのも酸化のせいで、普通の酸素でもこのような症状を起こす酸化力はあります。活性酸素はこの力が強力になったものだと思えば分かりやすいでしょう。モノにとっての老化現象ともいえる酸化が活性酸素によって急速に進むとしたら……怖いですよね。

活性酸素の原因

活性酸素は元々体内でも自然に発生し、その量は3%前後といわれています。このくらいの量なら体の仕組みがうまく働いて、活性酸素を抑え消し去ってしまう「抗酸化剤」によって中和されてしまうので問題はありません。ところがさまざまな原因で活性酸素が大量発生することがあります。主な理由としては、

・ストレスを感じたとき(最大の活性酸素の発生原因)
・タバコを吸ったとき
・アルコールを飲んだとき
・スポーツや激しい運動などで、酸素の消費量が増えたとき
・電磁波を浴びたとき(携帯電話や電子レンジなどで顕著だとされています)
・紫外線を浴びたとき
・医薬品、食品添加物、制がん剤などの化学物質が体内に入ったとき
・病原菌が入ったとき
・レントゲンなどで放射線を浴びたとき
・工場の有毒ガスや車の排気ガスを吸ったとき

などが挙げられます。人間を取り巻く環境の変化によりこれらの要因が増えてきたとも考えると、活性酸素は現代病(の要因)ともいえるのです。

活性酸素の症状

活性酸素によって体がむしばまれる、つまり「さびる」と、さまざまな症状が発生します。それは直接的に細胞を老化させるだけでなく、その活性酸素を生み出した原因と大きく結びついているのです。

たとえばタバコを吸うことで発生する活性酸素(肺に侵入した有害物質を取り除くために白血球が大量に活性酸素を発生させます)は肺がんや肺気腫の原因となります。紫外線を過度に浴びると皮膚に活性酸素が発生し、結果としてシミやシワができやすくなります。また、網膜がダメージを受けたり目のかゆみ・痛みを感じることもあるでしょう。

その他糖尿病や心臓病など、生活習慣からくる病気にも少なからぬ影響を及ぼしているとされています。活性酸素が引き起こす病状は実に多種多様に及ぶのです。

活性酸素に備えるために

活性酸素を完全に無くすことは不可能ですが、心構えをして増加を予防することは可能です。先に挙げた「活性酸素増加の原因」となるものをひかえるのはもちろん、抗酸化物(活性酸素を予防する働きを持つ)を積極的に摂取するのも一つの手立てです。例えば

・カテキン……緑茶など
・カロチノイド系色素……人参やトマト、鮭
・フラボノイド系イソフラボン……味噌、しょう油、納豆
・アントシアニン……赤ワイン、サツマイモ、ブルーベリー
・ビタミンCやビタミンE……各種果物

などが挙げられます。健康食品などでこれらの名前を耳にした人も多いでしょう。要は健康的な生活環境と食生活で日々を過ごすことが大切なのです。

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