「引きこもり」の原因は十人十色……「ひきこもり」調査結果を読んで(2)

2008年03月01日 19:40

時節イメージ東京都の青少年・治安対策本部は2月22日、東京都における「ひきこもり」の実態調査結果の速報値を発表した。それに目を通したコメント的な記事のパート2。ここでは「ひきこもり」の理由や時期などについて見てみることにする。

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引きこもりの期間・おちいった時期は人それぞれ。なぜなら……

引きこもりの状態になった時期、及び継続期間のデータも今調査結果では出ている。

引きこもりの状態になった時期、及び継続期間
引きこもりの状態になった時期、及び継続期間

報告書では『「25~27歳」が最も多く(29%)、次いで「13~15歳」が多い(18%)』と分析しているが、元々母体数が少ないので偏りについてはあまり参考にならない。むしろすべての年齢層で「ひきこもり」は発生しうると見る程度で良いだろう。12歳未満や13~15歳の層にも「ひきこもり」がいることには少々衝撃を受けるが……。

むしろ継続期間の方に注目したい。こちらは報告書にあるように「1年以上の長期に渡って継続している人が多数を占める」という見方で問題ない。

「すべての年齢層でひきこもりは発生する」としたが、これは先の「原因は人それぞれで、しかも複数の要因が絡み合い発生しうる」ということにもリンクする。家族関係や学校内でのいざこざ、単独の場合もあれば複数の場合もあるだろう。先のデータではそのような状態が推測できたが、それを裏付けるのが次の調査結果。ひきこもりの状態になったきっかけ。

ひきこもりの状態になったきっかけ
ひきこもりの状態になったきっかけ

「ひきこもり」の母数が少ないため細かい数字で比較対照するのはあまり意味がない。むしろ

・学校や職場、どこにでも人間関係がある限り、何らかの'つまづき'でひきこもりのきっかけとなりうる。
・就職活動の不調や病気など、自分が予期しなかった・備えようがない原因でも起きうる


くらいに見たほうが良い。ただしこのグラフと先の、「ひきこもり」群における「家族との関係」「学校での経験など」の傾向グラフを見比べると、元々周囲の環境で「ひきこもり」が起き易い状態にあった人が、何らかのきっかけでひきこもってしまうという見方もできる。
(続く)


■一連の記事:
【都内の「引きこもり」最低でも2万5000人、女性も29%……「ひきこもり」調査結果を読んで(1)】
【「引きこもり」の原因は十人十色……「ひきこもり」調査結果を読んで(2)】
【「ニート」も「ひきこもり」も……「ひきこもり」調査結果を読んで(3)】

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