紹介パターンには2つあって、ひとつが「○×年代のお菓子セット('XXs Gift Basket)」、もう一つが特定の年号にあわせた「XXXX年生まれの人のためのお誕生日セット(XXXX Birthday Gift Basket)」。パッケージデザインなどに多少の違いはあるが、中身は同じようなコンセプト、該当年代に発売されていた駄菓子の詰め合わせ。

年代別お菓子セット。「その時代への誘い」というところか

お誕生日セット。「1年程度でどんな違いがあるんだよ」という感もあるが、雰囲気雰囲気。

中身はといえば、そのまんま当時のお菓子セット。もちろん見た目だけでお菓子そのものは現代生産されているもの。当時の在庫をそのまま充てているわけではない。例えば『50's Retro Candy Decade Birthday Gift Box Jr. - Nostalgic Candy: 1950』では、次のような説明が。

50's Retro Candy Decade Birthday Gift Box Jr. - Nostalgic Candy: 1950

雰囲気としては誕生日に、その人が生まれた日の新聞をプレゼントしたり、その年の刻印がされている昔の効果や当時の曲のCDをプレゼントするようなノリだろう。「1950年に生まれた人が駄菓子を楽しむのは1950年そのものではなくて1950年代～60年代だから、本人が知っているお菓子も1950年のものより多少あとのではないか」という野暮なツッコミはこのさい止めておく。プレゼントというものは雰囲気や気持ちが大切なのだから。

ちなみにこのセット、お値段は24.95ドル(2750円)。円高が進んでいるということもあるが、案外リーズナブルな価格。日本で同じコンセプト・同じ価格帯で提供すれば、案外受けそうな気がする。

1990年代セット。
当方も知っている時代のものだが、
やはりピンとこない。
海外製だから仕方ないが……

10年単位のセットと特定年数のセットを色々と眺めて見たが、元々が海外のお菓子の詰め合わせなだけに、日本人の当方(不破)にはピンとくるものがない。ただ、パッケージを眺めると、「どう考えてもこの色彩やビジュアルセンスは一昔以上前のだろう」というものが多く見受けられる。しかし該当年代の人にとっては、これこそが「昔を思い起こさせる、ステキな商品たち」に見えるのだろう。もっとも、一定年数以上前のものになると単に「古めかしい」だけでなく「独特のセンス」「(古臭さが)かえって斬新に見える」ようになるから不思議なものだ。

日本でも、かつて【復刻版 懐かしお菓子(セブン＆アイ オリジナル)】で紹介したような商品の展開が何度か試みられたことがある。完全な復元は無理にしても、パッケージを同じものにして中身もできるだけ再現、それが無理なら近いもので代用して商品を再展開することは可能なはず。

似たようなコンセプトでセットにして販売すれば、日本での贈呈品などの分野でニーズはあるだろう。また、さらに過去へさかのぼり戦前のお菓子セットなども興味深いものがあるかもしれない。

(最終更新:2013/09/08)