ダウの前会長ピーター・カーン氏、買収交渉に反対を表明・情勢は買収反対派多数へ

2007年05月08日 12:30

株式イメージWall Street Journalや[このリンク先のページ(Cnn.co.jpなど)は掲載が終了しています]などアメリカの主要メディアは5月7日、先に【ニューズコーポレーション、ダウ・ジョーンズに買収提案。ダウ社の株価は2倍に急騰】で報じた【ニューズコーポレーション(News Corporation)】による【ダウ・ジョーンズ(DOW JONES)】の買収提案に関し、ダウ社株主で前会長のピーター・カーン氏(Peter Kann)が反対する意向を表明したと報じた。さらに大株主である投資会社も買収に反対する意向を表明していると報じている。

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カーン氏は1991年以降今年の4月までの長きに渡り会長を務めており、ダウ社のオーナーであるバンクロフト家とも仲が良い。同氏自身の持ち株は1%にも満たないが、影響力は絶大で、経営陣や社員、そして他の株主からの信頼も厚い。同氏が買収反対を表明したことで、他の株主も反対に動く可能性が高くなってきた。

上記CNN.comの記事でもダウ社の上級幹部の一人で6.2%の株式を保有するJim Ottaway Jr.が買収反対を表明している。Ottaway氏は記事の中で、「ニューズ社のルパート・マードック氏はダウ買収の過程において、記事編集の独自性・独立性を維持する体制を作り、現在のスタイルを変えることはないと表明した。しかし彼の過去の経歴を見る限り、その約束が常に、そしてずっと守られるとは思えない。しかもマードック氏自身76歳と高齢だ。彼自身がどんなに約束に誠実であったとしても、その約束が長い間続くとは思えない。将来、彼以外の誰がその約束を守ると断言できるのか。彼は不死ではないのだから」と語り、疑心感をあらわにしている。

マードック氏自身は「財務関係の情報がビジネスになる。しかも世界的規模で」という考えのもと、さまざまな買収政策を実施している。マイスペースの獲得もその一つで、今回のダウ買収提案も「いくつものプランの一つ」に過ぎないのかもしれない。

とはいえ、偶然ではあるが日本の三角合併解禁や日本国内のメディア買収騒動(最近では現在進行形で楽天とTBS間)、そしてマイクロソフトとヤフー、トムソンとロイターの件など、立て続けにメディアがらみの超巨大買収話が表ざたになっただけに、今件もそれらと結びつける形で多くの人の気をもませることになるのだろう。


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(最終更新:2013/08/21)

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