ダウ・ジョーンズ、ニューズへの買収提案回答を保留へ・オーナー一族は拒否

2007年05月04日 12:00

先に【ニューズコーポレーション、ダウ・ジョーンズに買収提案。ダウ社の株価は2倍に急騰】で報じた、メディア大手の【News Corporation(ニューズ)】による【Dow Jones(ダウ・ジョーンズ)】への買収提案について、ダウ社は5月2日、同社の理事会は「何の回答もしないことを決めた(determined to take no action with respect to the proposal)」と発表した(【発表リリース】)。

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これはニューズ社がダウ社を1株あたり60ドル(発表直前の株価の約2倍)で買収しようという提案を行ったことに対する反応。「はい」とも「いいえ」とも反応しないことで、他の買収話やニューズ社の60ドルという買い取り価格をさらに吊り上げようという意図があるとも考えられる。

リリースでは同時に、バンクロフト家(the Bancroft family、ダウ社のオーナー一族)が保有する株式のうち52%分について、ニューズ社の買収提案には反対する旨も報じている。「デラウェア州法では議決権の過半数が賛成しなければ買収は成立しない」とリリースでも説明した上で、「(オーナー一族の過半数が反対している。だから現状では買収について)何も決定しない」とその理由を説明している。

ニューズ社の最高経営責任者(CEO)はかの有名なルパード・マードック氏であり、同氏の経営手腕は超一線級のものとして高い評価と実績を誇っている。一方、経営優先のあまり伝統やポリシーをないがしろにする傾向があるという批判も見受けられ、「ダウ社を買収したら現在の権威が台無しになるような手が加えられるかもしれない」という不安の声も上がっている。

今回オーナー一族の反対を受けたのも、単に買い取り価格の駆け引きという金銭的な理由だけでなく、育て上げたダウ社の様相が変えられてしまうかもしれないとする危機感・不安感からくるものかもしれない。

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