やらせBlogこと「flog」とネット上の「口コミ」と広告会社と……下

2006年11月11日 19:30

インターネットイメージ書き手独自の意志はあるが、基本的に自由で中立であってほしいと思われているBlogが、実は企業側にコントロールされていた、つまりやらせのBlogだったという「Flog」なブログの話、下編。もうお分かりの人もいるだろう、今回登場した人物は……

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■ブログがブログ足るために、ひも付きでも「Flog」呼ばわりされないために

今回ピックアップした記事の中では、もっとも重要な部分が最終ページの1項目「ブログはヒモつきでないことが前提」にある。ここはぜひじっくりと目を通してほしいが、主旨をまとめると、

・ブロガーに報酬を与えて話題づくりを意図的に誘導するビジネスも登場しているが「ブロガーの自由意志」を強調している。
・そのコンセプトは「WOMMAの倫理コード」にもある、「身分証明こそが透明性である。すなわち企業がブログの内容に関与しているときには、それを隠さずに明示すること」にある。
・旧メディアの影響力が落ちたのは「ユーザーが”スポンサーのにおい”を嗅ぎ取って中立性にはてなマークをつけている」から。
・ブログは、読み手により近い立場と目線で発言をしているので評価されている。
・安易に「ブログは旧メディアの代わり」という発想を持つと痛い目にあう。


ということになる。

これらの要旨は、まさに最近、というよりここ数年の間ネット界隈で起きている、さまざまな「口コミ戦略(バイラルマーケティング)」とそれを安易に利用しようとして「炎上」してしてまうお間抜けな話に当てはまる、あるいは教訓になりうるものではないだろうか。


■そういえば、エデルマン氏って……

さてある意味ここからが本題。今回登場した、ウォールマートでのFlog事件とそのあとのあまりにもの対応のお粗末さ、さらに二枚舌、あるいはダブルスタンダードを持っていると揶揄される羽目になった、エデルマン社のCEOであるリチャード・エデルマン氏。この人物こそ、先日掲載した【ネット上の「うわさ」「口コミ」と広報の対処術】で、「世界中で“自分と同じような人”への信頼が高まっている」という名句と共に世界第三位のPR会社社長のトップとして広告やブログによる口コミ展開についてとうとうと語った人物に他ならない。

先ず隗より始めよ
さもなくば自らの言葉と
自分自身のの価値は
失われる

先の記事の取材時期が書かれていないので完全な精査はできないが、掲載時期が11月2日。一方今回の記事では【10月16日に謝罪の言葉を自分のブログに挙げている】。概要を訳すと「ここ数日ブロガーたちが自分らの疑惑について論議しているのは知っている。自分たちがFlog行為をしたのを認める。今件は100%自分らのせいであり、ウォールマートにはまったくの責任は無い。私も作成に関与したWOMMAのガイドラインについて、私自身がそれを守るようなチャンスを与えてほしい」などというところ。この記事単独で100以上ものコメントがついているが、辛辣な意見が多い。中には「古いメディアの考え方を踏襲してるからいけないのだ」という、先の記事で指摘していたような話も語られている。

時系列的には

「ウォールマートでのFlog事件発覚、謝罪」

    ↓

「半月経過」

    ↓

「世界中で“自分と同じような人”への信頼が高まっている、などWOMMAについて正論を大いに語る」


ということになる。元々エデルマン氏が先の記事のような考え・ポリシーの持ち主でウォールマートの件は出来心からやってしまったのか、それとも半月の間に大きく学んで成長したのかなど、色々考えは巡りめくものがある。当方としても少々複雑な気分であるのも事実だ。

先の記事では「もっともだ、素晴らしい、参考にすべきだ」という内容がちりばめられていただけに、その内容の素晴らしさはこのような事態が発覚しても色あせることはない。むしろ今回の記事と重ね合わせ、より確かなことを得られた人も多いだろう。

そしてまた一つ追加するとすれば、「先ず隗より始めよ、さもなくば自らの言葉と自分自身のの価値は失われる」というところだろうか。


■一連の記事:
【やらせBlogこと「flog」とネット上の「口コミ」と広告会社と……上】
【やらせBlogこと「flog」とネット上の「口コミ」と広告会社と……下】

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