ネット上の「うわさ」「口コミ」と広報の対処術……上

2006年11月09日 19:30

インターネットイメージ少々古い記事になるが、最近似たような話で盛り上がりを見せているところがあるようなので、【ブログ時代の”うわさ”対応広報術(IT Media)】をピックアップしてみる。これはブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)ユーザーが急増するネット社会において、企業の広報はどうすべきかという問いに世界第三位のPR会社【Edelman】のCEO、リチャード・エデルマン氏に聞いたものだ。

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記事ではまず、先日Dell製のノートパソコンが会議場で炎上した写真を例に挙げている。この実際いまだに尾を引いているソニー製電池を原因とすることが判明するまで、この写真と共にさまざまな憶測が流れ、それは企業側の頭を悩ませることになった。ブロガーやチャット、掲示板の参加者は憶測や意見などを交えるためだ。いわく、「企業広報の対応スピードは、ブログによって短縮されている。うわさには即座に対応し、企業としてコメントしないと、ブロガーが言った内容だけがネット上にどんどん流れてしまう」。

救いを見出すとすれば、Dell側ではこの問題をきっかけにブログのチェックやブロガーとのコミュニケーションを強化、ユーザーと意見を交わすためのブログも開設するなど、「痛い経験を元に現状に対応する」「災い転じて福となす」「ピンチをチャンスに切り替える」的な結果を生み出したことだろう。

世界中で
“自分と同じような人”への
信頼が高まっている
……リチャード・エデルマン
(PR企業EdelmanのCEO)

エデルマンCEOが語る言葉は端々まで「なるほど」と思わせる。さすがに百戦錬磨の経験豊富な、この分野で「飯を食っている人」だけはある。中でもなるほど、と思わせるのが「世界中で“自分と同じような人”への信頼が高まっている」という言葉。

特にIT系企業のCEOや社長は自らブログを開設して意見を述べている。これはエデルマン氏が指摘するように、親近感を持たせるだけでなく「自分の思いによって世に送り出される製品です。同じ想いを持つ人はぜひ手にとって見てください」というメッセージが込められており、それにファンたるユーザーも応えるという形なのだろう。

一方、容易に口コミやブログによるPRを使うべきではなく、慎重さも大切だともエデルマン氏は指摘している。つまり、

広告であることを隠さず、透明性を保つことや、他媒体にない貴重な情報を提供すること、ユーザーからの反応には迅速に対応すること


ということだ。隠していても十中八九その隠し事はバレてしまうもの。そしてバレた時の損失は成功した時のメリットよりはるかに大きい。差し引きで考えるのならはじめからオープンにした方が良い。

ただ、広告を企画する側、提案する側としては、やはり「黙っていれば、バレなければそれでいいじゃないか」という甘い見通しがある。これは株式投資において「今が絶対底値で必ず上がる」とか「今は安値でも間違いなく数倍に跳ね上がるから」として損切りせずにダメージを増やしてしまうという、身びいき的なところ、あるいは「自分の都合の良いように世の中が進んでいくと思い込んでしまう」といった行動心理と共通するものがある。

もちろん結果として、そのほとんどがうまくいかないわけだが。


■一連の記事:
【ネット上の「うわさ」「口コミ」と広報の対処術……上】
【ネット上の「うわさ」「口コミ」と広報の対処術……下】

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