三重県桑名の中学校で給食から牛乳排除決定

2006年09月13日 12:30

牛乳イメージ『中日新聞』によると三重県桑名市では2006年10月から市内の2中学校に給食を導入する際、牛乳を出さないことを決定した。必要とされるカルシウム分は栄養強化食品などで補うという。【文部科学省】でも「学校給食に牛乳を組み込まない献立は聞いたことがない」とコメントしている。

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元記事によると桑名市内の7中学校では元々給食制度は導入されていなかったが、10月から光風、陵成の2校で実施が決定された。給食の内容について教師や保護者、栄養教諭らが協議したところ、

・生徒が4階の教室まで運ぶのが大変。
・給食費と牛乳費が別々の清算になる。
・牛乳以外でも栄養を補える。


などから不要論に傾いた。

国の中学校給食の栄養基準(参照:児童又は生徒1人1回当たりの平均栄養所要量の基準)ではカルシウムは1食あたり350~400ミリグラムが必要。牛乳には1本200ミリリットルで200ミリグラムのカルシウムが含まれているため、カルシウム補給には強い味方となる。が、今回桑名市の決定ではこれを除外、他の食材で補完し、それが出来ない場合には卵殻カルシウムを添加したデザートなどで補うよう工夫するしている。

牛乳は最近では「ご飯食の給食にはあわない」という意見から給食時間中ではなく休み時間に飲ませたり、牛乳が無い献立を作る学校もある。しかし【学校給食法施行規則】では「完全給食とは、給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む)、ミルク及びおかずである給食をいう」と定義しており、今回の桑名市の決定はこれに反する可能性がある。

文科省学校健康教育課は「自治体の事情もあり強制はしないが、牛乳はカルシウム以外の栄養もあり給食に望ましい食品」と話している。

牛乳を不採用とした理由のうち「生徒が4階の教室まで運ぶのが大変」は「他の献立はどうなのか、シチューやスープものも似たように大変だから採用しないということはないはずだが」、「給食費と牛乳費が別々の清算になる」は「別々の清算で何か問題でもあるのか、もしあるとするのなら、どうして一緒にしようとしないのか」、さらに「牛乳以外でも栄養を補える」とあるが、デザートの添付の方が不自然ではないかという形で、桑名市による牛乳不採用の理由付けにはツッコミどころが多数見受けられる。

確かに牛乳が嫌いな、あるいは体質的に受け付けない子どもがいるのは事実で、牛乳を給食に加えるとそういう子どもが疎外感を受けるかもしれないとした考えも否定はできない。とはいえそのような心配は他の給食の惣菜すべて、果てはパンやご飯にもいえること。

それを考えると、新規に給食を導入することになったとはいえ、ただでさえ牛乳の消費量減少が問題視されているときに「どうしてわざわざ牛乳を除外する」ことを決めたのだろうか。気になるところではある。


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(最終更新:2013/08/26)

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