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2006年07月17日

毛髪ミネラルバランス検診(その他)

2006年07月17日 08:45 | 解説 , その他

毛髪ミネラルバランスについて

毛髪ミネラルバランスとは、毛髪から検査ができる、毛髪内に含まれる、しいては体内に蓄積されているミネラルのバランスのことです。「ミネラル」とは人間が生命を維持していくために必要不可欠な栄養素の一種で、例えばナトリウムやカリウム、マグネシウム、クロム、カルシウム、鉄、銅、モリブデン、マンガン、亜鉛など、鉱石系の栄養素と考えればほぼ間違いないでしょう。またその一方、ベリリウムやカドミウム、アルミニウムや水銀、鉛、砒素(ひそ)などのように、身体にとって有害なミネラルも存在します。

ミネラルは他の栄養素同様、むしろ他の栄養素以上に、とりすぎが害になりえます。最近はコンビニなどでもその栄養素毎にさまざまなサプリメントが置かれるようになり、身近な存在となりましたが、だからといって採りすぎるのも問題というわけです。

毛髪ミネラルバランス検査では毛髪からその人のミネラルバランス、つまり主要必須ミネラルの過不足や、有害ミネラルの有無をチェックすることができます。特に有害ミネラルについては、最近流行の「デトックス(体内有害物質の排出)」方面からも注目を集めています。

毛髪ミネラルバランスの原因

毛髪ミネラルバランス自身は病名でも病症名でもないためそれ自身は原因にはなりませんが、このバランスが崩れることでさまざまな病気の原因となることがあります。主に生活習慣病のきっかけとなることでよく知られているため、欧米などでは積極的に検査が行われているのです。

例えばカルシウムが不足すると、骨粗しょう症の他、不眠症、乾燥肌になる場合があります。鉄分不足は慢性疲労や肩こり、貧血、むくみ。亜鉛不足は短気、アトピー性皮膚炎、味覚障害などなど。それ単独では原因となる病気が分からない症状でも、実はミネラル不足、あるいは有害ミネラルの存在が原因の場合があるのです。

毛髪ミネラルバランスの症状

「原因」でも一部紹介しましたが、それぞれのミネラルが過不足状態、特に不足した場合、さまざまな症状が起きると報告されています。もっとも身近ないくつかのミネラルについてまとめてみても、次のようになります。

・カルシウム……骨粗しょう症、発育不良、くる病、不眠症、神経症、ぜんそく、アレルギー性鼻炎
・マグネシウム……心筋梗塞、動脈硬化、けいれん、神経過敏、抑うつ症、不整脈、尿路結石
・カリウム……心臓発作、便秘、腎不全、ガン、関節炎
・亜鉛……発育不良、性機能低下、治癒能力低下、味覚障害、腸性肢端皮膚炎

カロリーや塩分は過剰なまでに摂取されている現在の食生活において、なぜミネラル不足が叫ばれているのか。その原因はいくつか推測されています。食べ物自身は豊富にあるはずですが、化学肥料で栽培され品種改良され、農薬などで汚染気味の土壌で作られた「本来収穫できないはずの時期に作られた」野菜では、十分なビタミンやミネラルが含まれていようはずもありません。またインスタント食品などに含まれる添加物がミネラル不足にさらに拍車をかけるがごとく、体内への吸収を邪魔します。また、ストレスや睡眠不足などもミネラル分の吸収不足の原因ともなります。

毛髪ミネラルバランスの予防

正確には「バランスのとれたミネラル分の摂取」「アンバランスなミネラル分状態を防ぐための予防法」ということですが、まずは何にも増して、バランスのとれた食生活を送ることです。足りないミネラルを食べ物から吸収し、採り過ぎないように注意する。検査をして自分の今現在の食生活で過不足なミネラルをチェックすることで、生活を省みて、正しい軌道修正を図ることができます。

食生活からのミネラルバランスの調整は、実に多くの人たちが研究を重ね、書籍にまとめたりサイトに掲載しています。例えばNHKの【ためしてガッテン】でも、ミネラル不足の現状と、その不足分を補うために有効な料理を多数紹介しています。

また有害なミネラルについては、(ピンセットなどで一つ一つ分子レベルから取り払うわけにも行きませんから)、化学反応などでこれらのミネラルを排泄するような栄養素を選んで摂取するという方法があります。自分の体内にどんな有害ミネラルがあるのかを検査で調べることにより、対応する排出用の栄養素を摂取し、身体を「きれいに」することができます(これがいわゆる「デトックス」の一方法です)。

足りない栄養素をサプリメントなどで気軽に補う方法も有効な手立ての一つです。ただし、食品から自然な形で吸収するのではなく、半ば直接的な方法でミネラルを摂取するサプリメントの使用は、本来の身体の機能に反したものであるため、身体そのものにとってはベストな方法とはいえません(「慣れて」しまい、本来の機能が損なわれるリスクがあります)。サプリメントの利用はあくまでも応急処置的に、最小限にとどめるべきでしょう。

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