教育費 生活苦でも 減らしません 苦しい時こそ 子への期待を

2009年01月30日 06:30

学習塾イメージマイボイスコムは1月23日までにくらしと生活に関する調査結果を発表した。それによると、2009年において「できれば」2008年よりもお金をかけたいと思っている項目でもっとも多くの同意を得たのは「旅行」だった。次いで「趣味・娯楽・教養」「育児・教育」などが続いている。特に「育児・教育」は節約した項目でも最下層に位置しており、「他のものは削っても教育費は削れない」という親心が見て取れる。その一方、「特にない」と回答する人が約半数に登るなど、消費性向そのものが萎縮している様子がうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査はインターネット経由で1月1日から5日の間に行われ、有効回答数は1万3923人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代37%、40代30%、50代以上18%など。

2008年に続き2009年も家計的には厳しい日々が続きそうだが、特に節約してきた・これから節約したい項目にはとりわけ「外食」をはじめとする「食」に関する事項が上位についている。これは比較的簡単に費用を削減できることに加え、食品の単価がじわりと上昇しており「節約をせざるを得ない」現状も一因にあるものと思われる。

それでは逆に、「節約をした項目」「これから節約をしたい項目」の最下層、つまり選択肢として用意されていても選ばれなかった(=節約の対象にはなりにくい)項目はなんだろうか。それぞれの下から5番目までを抽出したのが次の図。

「節約した・したい項目」リストで下から5番目まで(具体的項目中)
「節約した・したい項目」リストで下から5番目まで(具体的項目中)

保険・医療は言葉通り「保険」であるから、なかなか自分の都合で節約することは出来ない。通院している人が「節約のため」とばかりに薬剤師にクスリの量を半分に減らしてもらうことも不可能なため、この部分はほとんど節約できないと判断されたのだろう。住居維持もまたしかりで、節約しようとしてできるものではない(出来たとしても家賃交渉くらいか)。また、パソコンは娯楽にも仕事にも必要不可欠であり、自分の求める仕様をケチると長期間にわたって不便を感じてしまうこともあり、妥協は出来ないとの考え方によるもの。

そして赤丸で囲った、注目すべき項目が「育児・教育」。他の項目は節約しても、「教育費は削れない」という親がほとんどであることは、他の調査結果(【ぜいたくは 敵だとばかりに 切り詰める 外食ガソリン美容に ファッション】【子育て夫婦が物価高で削るもの、最初に外食、次に趣味・教育費は……】など)でも明らか。特に【成長に 実感無くして 不安増え 焦りも増える 教育ママさん】では教育費が横ばい、あるいはやや増加の傾向すら見えている。

「教育費は削れない・むしろ増やしたい」という親の意思の堅さは、「出来れば今年お金をかけたい」という調査項目にも見てとれる。

今年はできればお金をかけたいもの
今年はできればお金をかけたいもの

トップの「旅行」、第二位の「趣味・娯楽・教養」にはかなわないものの、第三位のポジションに「育児・教育」がついている。前者二つが「節約した・したい」項目の中堅から上位に顔を見せていること(例えば2008年に節約した項目では「旅行」は第七位、「趣味・娯楽・教養」は第八位)を考えると、幅広い年齢層にとって「育児・教育」費は「節約はできるだけさけたい」という共通認識があると見てよいだろう。

やや語弊があるかもしれないが、育児・教育は保護者にとっては一種の投資であると共に、生物としての本能に近いものがある。教育費に傾注する家計の事情もその一端の表れといえよう。


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