ジェネリック 四人に一人は 「使ったよ」

2008年10月10日 08:00

お薬イメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは10月9日、ジェネリック医薬品(後発医薬品)に関する調査結果を発表した。それによるとジェネリック医薬品を使ったことがある人は全体の2割強に達していることが明らかになった。普及が進んでいるか否かを判断するには微妙な値だが、少なくともこれだけの人が実体験をしていることになる。また、「使ったことが無い」人でも7わり近くがジェネリック医薬品そのものは知っていると回答していることから、認知度は大いに高まっていることは確認できる(【発表リリース】)。

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今調査は9月22日から9月28日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は376人。男女比は51.1対48.9。年齢構成比は20代12.0%、30代47.6%、40代29.3%、その他11.2%。

ジェネリック医薬品とは【ジェネリック医薬品「使いたい」は82%】にもあるように、「後発医薬品」とも訳されることのある、新薬特許が切れた後に作られる医薬品のことを指す。厚生労働省の承認を得れば特許料ナシで発売ができるので、先発医薬品(これまで一般的に流通してきた薬)と比べて値を抑えられる。欧米では一般名(Generic name:成分名)で処方されることが多いことからつけられたもの。「同じ成分を使って安く提供できる、同等の効果が期待できる医薬品」ということで医薬品業界・政府でも必至にアピールをしているが、医師・患者の双方から「医療費を抑えることができる」という賛美の声と共に「効果が疑わしい」との声も根強い。

さてその「ジェネリック医薬品」について医者からお薬を処方された経験のある376人に、「ジェネリック医薬品を使ったことがあるか」と尋ねたところ、全体では23.9%・約4人に1人が「ある」と回答する結果となった。

ジェネリック医薬品を使ったことはありますか
ジェネリック医薬品を使ったことはありますか

男女別・年齢階層別のデータも出ているが、それらの区分で際立った変化を見出すことは出来ない。2割から2割5分が利用体験アリ、という認識で問題ないようだ。

ジェネリック医薬品を使うか否かは最終的に患者本人の判断に任される。「定期的に使うものだから値段が安いにこした事は無い」と考える人がいる一方で「身体に入るもの、病気を治すものをねぎって効用にハテナマークがつくかもしれないものを選択するのは、心境的に許容しがたい」と思う人もいるだろう。今後普及度・認知度が高まっても、ほぼ全員が「ジェネリック医薬品」を使うことは無いものと思われる。

ただ、少なくとも「ジェネリック医薬品」そのものの認知度が高まりつつあるのは事実のようだ。薬を処方された経験はあるがジェネリックを使ったことが無い人に限定し(使ったことがある人は認知済みなので除外)、「ジェネリック医薬品とはどのようなものか知っているか」と尋ねたところ、6割強が「知っている」と答えている。

ジェネリック医薬品を知っていましたか(薬を処方された経験があり、ジェネリック医薬品を使ったことが無い人限定)
ジェネリック医薬品を知っていましたか(薬を処方された経験があり、ジェネリック医薬品を使ったことが無い人限定)

「詳しくは知らない」が3割近くいるのが少々不安要素ではあるが、多くの人が認知済みであり、選択の余地があることは理解できよう。

今後高齢化社会がますますその度合いを高め、必然的に薬へのニーズも割合・絶対量共に増加するものと思われる(【2008年のジェネリック医薬品市場は2500億円へ、8.8%の成長】)。今後はさらに啓蒙活動を推し進めると共に、期待に応えられるだけの品質や業界の信用性確保が関連業界には求められることだろう。


(最終更新:2013/08/02)

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