ジェネリック医薬品「使いたい」は82%

2008年06月28日 12:00

お薬イメージgooリサーチは6月27日、ジェネリック医薬品(後発医薬品)に関する調査結果を発表した。それによるとジェネリック医薬品を程度の違いはあれど知っている人は96%に及んでいることが明らかになった。また、今後ジェネリック医薬品を使いたい人は自発的に・勧められればをあわせ82%に登っていた。患者・消費者の間に情報や医薬品そのものにおいて、ジェネリック医薬品が確実に浸透しているようすがうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査は5月末から6月上旬にかけて、過去2年間に病院で薬を処方された経験がある40歳以上の男女1010人に対してインターネット経由で行われた。年齢階層は非公開。対象年齢が中堅以降であることに注意されたい。

ジェネリック医薬品とは「後発医薬品」とも訳されることのある、新薬特許が切れた後に作られる医薬品のことを指す。厚生労働省の承認を得れば特許料ナシで発売ができるので、先発医薬品と比べて値を抑えられる。欧米では一般名(Generic name:成分名)で処方されることが多いことからつけられたもの。「同じ成分を使って安く提供できる、同等の効果が期待できる医薬品」ということで医薬品業界・政府でも必至にアピールをしているが、医師・患者の双方から「医療費を抑えることができる」という賛美の声と共に「効果が疑わしい」との意見も強かった。

ここ数年の間に、主に医療費を削減する目的で制度が改正され、ジェネリック医薬品に対するハードルが低くなり、新薬同様に普及するようになった(2006年4月から医師が了承すれば患者はジェネリックを選ぶことができる(【医療費制度改正のポイントをチェック】))。特に今年の4月からは医師の禁止がない限り、原則使用が可能となり、大きく市場が飛躍することになる

「ジェネリック医薬品」という言葉、その実情を知っている人は、実に96%。内容まで知っている人は82%に及んでいる。

ジェネリック医薬品を知っているか
ジェネリック医薬品を知っているか

さらに使ったことがある人は23%に登っている。使ったかどうか分からない人が29%存在するので、このうち数割が実際に使っている可能性を考えると、3割近くが使っていることになるのだろう。

【ジェネリック医薬品「問題あり」73銘柄と報告、日本医師会にて】をはじめ、効果や品質などに疑問が残る(何しろ「成分が」同じなのであって、「効用が」新薬と同じではないのだ)ジェネリック医薬品だが、価格の安さは大きな魅力のようで、今後使いたい、あるいは使い続けたい人は各選択肢をあわせて8割以上に及んでいた。

今後、ジェネリック医薬品を使いたい(使い続けたい)か
今後、ジェネリック医薬品を使いたい(使い続けたい)か

「是非使いたい」という積極派が3割で、半数の50%は「医者から勧められれば使いたい」と少々及び腰なのが気になるが、ともあれ好意的な意見が82%を占めている。別機関の調査ではあるが半年ほど前に行われた【ジェネリック医薬品、認知度や「効き目に変わりなし」「不安無し」は7割強】と比べるとやや期待・安心感が増えているのがわかる。これは普及し始めてから2年ほどの時間が経過していること、物価の上昇で相対的に医療費への重圧が増えたことで「少しでも費用を削減したい」という考えも少なからず影響しているものと思われる。


お薬イメージかつては効き目や安全性において不安視されていたジェネリック医薬品だが、利用頻度はまだそれほど高くないものの、存在そのものの告知度は相当なものとなり、利用者の意見も好意的なものが増え、今後も使いたい人の割合も確実に増えている。

今調査で「使わなかった人」にその理由を尋ねたところ、「効き目や安全性に不安があるから」と答えた人はわずか8%に過ぎず、むしろ「医師や薬剤師に勧められなかった、相談しづらい」という、システム的な点が普及を妨げている要因となっている。

普及促進派から見れば、今後はいかに患者側の利用ハードルを下げる(医者とのコミュニケーションにおいて)ことが求められるに違いない。また引き続き中長期的な観点で、新薬と「成分は同じでも製法が同じとは限らず、効用も同じとは限らない」ジェネリック医薬品において、注視を続けていく必要があるだろう。


(最終更新:2013/08/05)

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