コンビニ深夜営業規制を前提とした「市民会議」開催に反発・業界団体が出席拒否と営業継続を明らかに

2008年08月23日 12:00

時節イメージコンビニの業界団体・日本フランチャイズチェーン協会は8月22日、京都市から要請を受けていた【環境にやさしいライフスタイルを考える市民会議】への参加を見合わせることと、24時間営業を継続する方針であることを明らかにした(【発表リリース】)。

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「地球環境保全」「深夜型生活の是正」を理由・大義名分として、コンビニの24時間営業を自粛すべきであるとする機運は京都市や埼玉県、神奈川県などを中心に高まっている。一方、コンビニ業界側では【深夜営業自粛の動きは「シンボル的なもの」で実益はあまりナシ!? コンビニ団体が反対を表明】にもあるように、具体的な数字を挙げて明確に反対する意向を示している。

京都市では「市民会議」の名のもとにコンビニの24時間営業を差し止める機運作りのため「低炭素社会の構築を目指し、環境にやさしいライフスタイルの創造を図るため、環境、経済、消費生活、青少年健全育成、防犯などの幅広い観点からも課題や方策について議論する」会合を設置。コンビニ業界側にも出席を求めていた。

これに対して日本フランチャイズチェーン協会では出席要請に対して7月末の時点で

「京都市市長自身が『コンビニの深夜営業を自粛しても二酸化炭素削減は限定的』と認知しているのに、市民会議で『コンビニ深夜営業自粛』を論議する必要があるのか」
「社会の仕組みが変わらない限り深夜ライフスタイルも変わらないにも関わらず、なぜライフスタイルの変更に向けた議論においてコンビニの深夜営業自粛と関連付け検討されるのか」
「ライフスタイルの求めるべき姿を『多数決』で強制することへの疑問と、変更を議論することへの疑問」
「『市民会議』の構成と構成員の選出基準に対する公平性」


の4点について京都市に質問をしたものの、8月12日に寄せられた回答は納得できるものでないと判断。当初議題・目的にあげられた「コンビニエンスストア等の深夜営業の見直しなど」は削除されたものの、その要請を目的とすることに変わりは無いと日本フランチャイズチェーン協会では認識。以上の点から「市民会議に参加する素地が整っていない」と判断し、会議への不参加意向を表明している。

簡単に書き直すと「ライフスタイルの見直しという大義名分を掲げた市民会議だが、事実上『コンビニの深夜営業自粛は社会の相違と裏付ける・印象付けるための会合』に過ぎない。しかも『市民会議』と銘打ってはいるが、構成メンバーは深夜営業自粛賛成派が多数であり公正に選抜されたとは言いがたく、論議誘導されかねない。茶番に付き合って乗せられるわけにはいかない」というところだろうか。

さらにリリースにおいて日本フランチャイズチェーン協会では「市民会議」に対し

1.コンビニの深夜営業自粛要請は「営業の自由」問題に関係する。ライフスタイルの変更がそれを制限する理由にはならない。
2.ライフスタイルのあるべき姿を多数決で決めることは「思想・良心の自由」の問題に関係する。
3.市民会議そのもの、構成員の選抜基準の公平性が不透明である以上、そこで何か物事が決定してもそれは民意を反映しているわけではない。


などと苦言を呈している。

24時間営業のコンビニは生活に密着した存在で目立つことから、「地球環境問題」において槍玉に挙げられている感が強い。要は実際の効果があろうが無かろうが、「見た目で環境保全に貢献した、と思われるシンボル」が欲しいというニーズにマッチしているからだろう。言い換えれば「スケープゴート」。

深夜営業反対派に対してコンビニ業界側では複数の具体的な数字や論説で反論、さらには「デメリットの方が多い」ことなどを提示しているが、それに対して深夜営業反対派が具体的・論理的な反証をしたという話は耳にしたことがない。半ば感情論的な面から畳み掛ける「深夜営業反対派」と、それに次々と論理的な反論を唱える「現状維持派」という構造が見て取れる。

エコロジー
ホンネを見れば
エゴイズム
(さすがに「エコロジー」
ならぬ「エ’ロジ’ジー」と
までは言わないが(笑))

また(話題性が高いため)コンビニの深夜営業に関して各種調査機関による調査も行われているが、【コンビニの営業時間、不満はわずか3.9%・理想は朝6時から深夜0時】【24時間営業コンビニのニーズはどこに!?】【コンビニ深夜営業規制、賛否両論意見は二分】【コンビニの深夜営業規制、高齢者ほど賛成の意向・利用の多い若年層ほど反対多し】などから見る限り、「深夜営業反対派は地球環境やライフスタイルの変更を大義名分にしているが、実のところ反対派も賛成派も、自らの便宜や事情を元に主張している。エコロジーの裏にはエゴイズムが顔をのぞかせている論議」と見なすことができよう。

まずはコンビニ深夜営業反対派に継続賛成派(特に日本フランチャイズチェーン協会)が提示した反対意見について反証を提示してもらい、その上で公平かつ「論理的・科学的」な議論を行うべきだろう。「初めに結論ありき」「感情論のみでの意見の投げ合い」ではまともな結論が出ない。一部の声高な人たちの意見のみに注目して非論理的・非科学的な事柄を強行すれば、逆に不都合の方が多くなるのは目に見えて明らかだからだ。


(最終更新:2013/08/03)

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