深夜営業自粛の動きは「シンボル的なもの」で実益はあまりナシ!? コンビニ団体が反対を表明

2008年06月21日 12:00

深夜のコンビニイメージコンビニ業界団体の日本フランチャイズチェーン協会は6月20日、コンビニの深夜営業自粛に関する地方自治体の動きや各種報道について、社会への貢献度の高さと消費者ニーズの強さ、そして深夜営業を規制してもほとんど省エネには貢献しないとし、24時間営業を継続したい意向を明らかにした(【発表リリース、PDF】)。

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リリースによるとコンビニの24時間営業については

・現在は社会になくてはならないインフラとして定着している。
・交番や駐在所が減少する昨今においては特に防犯、そして緊急時のサポートエリアとして「保険」的な役割を果たしている。
・深夜を閉店しても冷蔵や冷凍機器を止めるわけにはいかず、閉開店の準備作業時間を考慮すると閉店時間は実質1日6時間程度にしかならない。空調、看板、照明によるエネルギー消費削減量は5~6%にとどまる。
・物流時間帯のうち深夜部分が昼間にシフトするので渋滞を助長し、二酸化炭素の排出量も増加する。
・24時間営業を取りやめると深夜時間帯に勤務していた人の職を喪失することになる。


などの理由から、その存在意義を再確認すると共に、24時間営業自粛の動きには反対する意向を示した。

また、リリースには記載されていないが、24時間営業が無くなると売り上げが最大で2割減るとの試算も一部報道で報じられており、半ば効果云々よりも「見た目が目立つから」とばかりにコンビニを標的にした規制の強化は「アンフェア」であると反論しているという。


コンビニの24時間営業自粛要請は
実質的な効果よりも
宣伝効果を狙ったもので
いわば「さらし者」!?
自粛によるマイナス要因が
検討されていないのも問題。

指摘されてみれば確かに24時間営業を16時間営業に規制し、1日の1/3を閉店するよう強要したところで、開店・閉店作業もあわせれば6時間程度しか「閉じている」時間はなく、さらにその時間帯は電力消費量がゼロになるわけではない。防犯をはじめとする各種「何かあった時のため駆け込み寺」的な場所として社会的な立ち位置は確立されているのは間違いなく、さらに生活スタイルが通常と違う人や深夜労働の人のライフラインを寸断することにもなりかねない(参考:【夕ご飯何時ごろ食べてます? 午後9時以降に食べる人が増加中】)。

ぱっと見で、第一印象的に効果がありそうだからとばかりに規制を強化し、そこから得られる成果よりも、失われるもの・かえって悪化するものが多く、結局は多くの人にマイナスとなるばかりという、いわば「扇動的・デマゴーグ的な施政、規制」はここ最近の間、色々と目立つようになってきた。ざっとあげても「割りばしの敬遠」や、官製不況の3K要因と呼ばれる「改正建築基準法」「貸金業法」「金融商品取引法」などが良い例だ。

ローソンのLEDイメージ今件にしても、深夜のコンビニから灯が消えれば目立つし、自粛を要請していた方面は「成果があがりました」とアピールできるところから、強固に推し進めてる感が強い。むしろ派生マイナス要因の方が多いようにすら思える24時間営業の自粛より、【店舗全体は7%、照明機器は50%の電力消費量削減に成功・ローソンが全部の新店舗でLEDを採用へ】で報じているように「全店舗へのLED導入」を推し進めた方がはるかにマシだろう。

24時間営業自粛要請より
LEDの導入を後押しした方が
自治体にもコンビニにも
そして地域住民、さらには地球にも
優しい政策なのでは?

奇しくも今回の日本フランチャイズチェーン協会の試算では「24時間営業を取りやめるとエネルギー削減量は5~6%」とあり、先のローソンの「全照明のLED化」で削減できる電力消費量も7%と、両者はほぼ一致する(エネルギー=電力ではないだろうが……)。どのみち自治体も条例などでコンビニに規制をしたい、もといするのなら、「照明の●割以上をLED化すれば24時間営業をしても良い」というように、選択の幅を広げてみてはいかがだろうか。ものおじするコンビニには「LED化のための補助金制度」を創設しても良い。それくらいは出来るはずだ。

「二酸化炭素排出量を減らしたい」「でもコンビニの24時間営業のメリットは見逃せない」この両者のニーズを充足するアイディアとしては悪くないと思うのだが、いかがだろうか。


■関連記事:
【24時間営業コンビニのニーズはどこに!?】

(最終更新:2013/08/05)

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