ガソリン高で変わるアメリカの休暇スタイル

2008年06月01日 12:00

レクリエーショナル・ビークルイメージ先週末の5月26日はアメリカでは「戦没将兵記念日(メモリアルデー)」という、兵役中に亡くなった人たちを追悼する祝日だった。最近は追悼以外に家族で旅行に出かけたりスポーツイベントも盛んに行われ、「レジャーデー」ともなりつつある。「メモリアルデーは家族で出かけてバーベキューパーティーを!」とばかりに、この日が近づくと多数のニュースサイトでバーベキュー関係の特集が組まれたものだが(笑)、中に気になる記事を見つけることができた。USA TODAYの短めの記事だが、ガソリン価格の高騰でアメリカにおける休暇を楽しむライフスタイルも変わりつつある、というものだ(【ガソリン価格の高騰は休暇の旅行をも躊躇させます(Gas costs cut into vacation travel)】)。

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元記事のUSA TODAYの調査によると、昨今のガソリン高の影響を受けてアメリカ人の1/3以上が旅行プランとオサラバしているという。具体的には37%の人が旅行そのものを取りやめ、1/4は以前のような長距離・長期間の旅行プランをキャンセルし、短距離・短期間の旅行を選んでいる。

■ガソリンが高騰しているが、旅行計画はどうする?

・キャンセル、予算の都合がつかない……37%
・期間短縮、または近場へ……24%
・旅行回数そのものを減らす……20%
・自動車ではなくて飛行機や電車、バスなどの公共機関を使う……7%
・相乗りでガソリンを節約……5%
・どうにか工夫して節約できるプランを考える……3%


自家用車で家族そろって旅行というスタイルが主流のアメリカにとって、ガソリン高騰はレジャーに直接打撃を与える。昨今の状況は、ホテルの経営側でも「違和感」を持っているようだ。オレゴン州のあるホテルのマネージャーは「いつもは満員となるはずのメモリアルデー直前の予約ですら空席が目立った。6月分は予約がすかすかで、定価139ドルの部屋をオンライン経由なら109ドルに値下げしなければならないほど(そこまで値下げしても予約が入らない)」とコメント。

ガソリン高に伴う休暇スタイルの変化、具体的には「より近場、より短い期間」(昔の日本の言い回しなら「安近短」が該当するか)の傾向は、数々の証言から確認することができる。

・ホテルの滞在プランを比較できる【Hotels.com】の利用者のほとんどは1週間未満という短期間の旅行プランを練っている。「短い滞在期間、自宅からの近場が選ばれる傾向にある」とはサイト管理運営者談。
・ガソリン価格を比較できる【Gasbuddy.com】(先に【アメリカのガソリンマップ】で紹介したのと同じ)は1日500万ページビューを記録。1月の120万ページビュー/日から飛躍的な伸びを示している。そのサイト内で「今年は去年より運転しない?」と答えた人は75%に達した。それだけ短距離旅行を考えている人が多い。
・アメリカの12のテーマパークのうち11では、オンライン経由でのチケット購入代金を引き下げ、大人も子ども料金で購入できるようにした。
・RV車(レクリエーショナル・ビークル、オートキャンプ用の車)の所有者820万人のうち、3/4は「去年と同じくらいの頻度で(休暇の遠出に)利用する」とはRV協会関係者談。ただし「去年よりも近場を選ぶ傾向が強い」とのこと。


元記事の最後には、旅行を計画していたあるシカゴの家族の事例が紹介されている。ガソリン代を200ドル(2万円)節約するために、サウスダコタ行きを取りやめ、代わりにウィスコンシンでの旅行プランに差し替えたそうだ。両親のふところ具合、ガソリン高騰のことなどつゆとも知らない子どもたちは口をそろえて「なんかごまかされたっぽいな」と愚痴をこぼしているという。

アメリカでは5月から景気刺激策として税金の差し戻しがスタートしており、消費もいくらかは上向くはず。しかし実際にはガソリン価格の高騰がそれをも凌駕する形となり(【個人で6万円・夫婦で12万円~アメリカの景気刺激策、手にしたお金は何に使う!?】)、節約志向を押しとどめることは難しそうだ。

この傾向が今後のアメリカの景気にどのように影響を与えるのか。あるいは景気云々という短期間なお話ではなく、アメリカ人の消費性向という中長期的な面にも変化をもたらすかもしれない。

(最終更新:2013/08/05)

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