おいしく食べても満足感が無いのは「カロリー」が必要だから

2008年05月28日 12:00

肥満イメージ体の健康維持やメタボ対策などでよくテーマに登るのは、対象となる食べ物を「おいしい」と感じること。空腹感を満たすだけならそれこそカロリーの低い食品だけを食べていれば良く、肥満を心配する必要もないのだが、なぜか人はカロリーの高いものを好き好んで食べてしまう。どうして高カロリーのものを「おいしい」と判断し、口に運んでしまうのか。興味深い研究成果が[このリンク先のページ(tokyo-np.co.jpなど)は掲載が終了しています]に掲載されていた。いわく「舌の情報」+「脳のカロリー情報」=「とてもおいしいという満足感」という公式があるのだという。

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詳細は元記事を参照して欲しいが、マウスの実験などにより、「おいしい」という感覚だけでは人間(の脳)は満足感を得られないような仕組みになっているらしい。舌で感じた「おいしい」という味覚信号に加え、油脂を感知するCD36・GPR120という部分が刺激を受け(=油分を口にする)脳に「カロリーが体内に入りましたよ」というカロリー情報が加わることで、はじめて脳そのものが「うまい!」と感じ、満足感を得られるのだという。

「うまい」実感

味覚の「うまい」

カロリー充足の信号

この法則は油脂(油分)だけでなく糖分にも共通する。「甘い」だけでなく「甘さでカロリーが満たされた」という信号が伝わって、はじめて「満足感」を得られる。だから例えば低カロリーの代用油や甘味料など、俗に言うダイエット用の代替品では「おいしく」とも「カロリーは低い」ので、満足感が得られない。量を口にし舌もおいしさを感じているのに、何となく物足りなさ、スカスカ感を体感してしまうのはこのためだという。いわく「口の中はごまかせても、胃まではごまかせません」とのこと。だから低カロリーの食品によるダイエットは(満足感が得られないため)なかなか続かない……ということになる。

今回の元記事は京都大農学部の伏木亨教授らの研究成果を元にしているか、同教授は2年ほど前に「カロリーの高い油脂を多く含む食べ物を目の前にすると、脳内麻薬が分泌(ぶんぴつ)されて快楽を感じる仕組みがある」ことを突き止めている(【「油ものがウマく食が進むのは脳内麻薬のため」仕組みを京大が解明】)。また同教授は【人が食べ物を「美味しい」と思う5つのポイント】にもあるように、「おいしい」と感じる原因を5つに分類し、その中の「薬理学的なもの」として「油」「砂糖」「だし」を挙げ、カロリーが高い「油脂」をここに含めている。

お腹に必要なだけの食事をとったという満腹感はあるが、もう食べたくない・食べる必要はないという満足感を得られないがため、ついつい食べ過ぎてしまうというのが肥満街道一直線へのパターンの一つ。教授が各所で語っているように、低カロリーな代替食品でメタボを防ぐには、「おいしい」だけではなく「カロリー的に脳をだませる」食品の登場を待つしかないのかもしれない。

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