「油ものがウマく食が進むのは脳内麻薬のため」仕組みを京大が解明

2006年03月21日 06:40

油ものイメージラーメンやフライ、油たっぷりのステーキや炒め物など、ついつい食が進んで食べ過ぎてしまう油もの。これら高カロリーの油脂を多く含む食べ物を目の前にすると、食欲の魔力に負けてなかなか止められず食が進んでしまうのは、実は摂取直後に大量の「脳内麻薬」がぶんぴつされ、「ウンマーイ!」という快楽を感じる仕組みが人間にはあることを京都大大学院農学研究科の伏木亨教授らの研究グループが3月18日までに突き止めたという(『参照記事:Yahoo!News』)。

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つまり「♪止められない止まらない、カ(以下略)」のような、美味しい≒脂っこい≒食が進むという方程式について、科学的な根拠が突き止められたことになる。さらにこの根拠が判明したことで、同じ快楽レベルの低カロリー油などを作れれば、肥満防止や改善につながる可能性もあると記事では指摘している。今件の詳細は3月26日に開かれる【日本農芸化学会】で発表されるという。

日本農芸化学会のプログラムには2494件の一般講演、188件のシンポジウムが開催されるとあるが、その内容を調べてみると、当日の講演の中で伏木亨教授が関連している講演の中では「油脂の嗜好強化に対するβ-endorphinの関与」「油脂および甘味成分の嗜好性の違い~lick meterを用いた検討~」あたりが該当するものと思われる。

人間は脳で食べているイメージ「脳内麻薬」という言葉で誤解されるかもしれないが本当に麻薬が作られるわけではなく、それと同じような働きをする物質エンドルフィンなどが出来るというだけの話。例えばマラソンが好きな人は走っていくうちに気持ちが爽快になり、疲れや痛みを忘れてしまうこと(ランニング・ハイ)があるが、これも効果としては同じ理論。人は自分の好きなことで時間を費やしていると、このエンドルフィン類が多くぶんぴつされる性質があるようだ。

脂っこいものを食べることで「うまい」と感じるエンドルフィンが脳内に発生し、満腹感を忘れさせてしまい、つい食べ過ぎる。確かに論理的に説明がつく。そして「うまい」と感じる低カロリー油を作れれば、同じ美味しさを感じつつもカロリー摂取量を低く抑えることもできるようになるだろう。伏木亨教授らの正式発表を切に待ちたいところだ。

なお伏木亨教授についてさらに調べたところ、いきなり今件の研究発表をしたわけではなく、食が人間の、特に脳に及ぼす反応への研究に長けており、関連著書も多数出版している。共著も含めてアマゾンでも『人間は脳で食べている』をはじめ、『16冊ほどみつけることができた』。自分自身がなぜ、好物を食べるとうまいと感じ、そしてたくさん食べたくなるのか。論理的に考えることで、新しい世界が開けるかもしれない。


(最終更新:2013/09/19)

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