携帯時代は「さみしんぼう時代」!? 半数が「1日着信・メールがないと寂しい」

2008年04月26日 12:00

【ネプロジャパン(9421)】は4月25日、【ケータイに関する悩み(PDF)】のレポートを発表した。それによると利用者の約半数が「携帯電話で電話そのものやメール、掲示板など受信履歴がないと寂しく思う」と答えていることが明らかになった。コミュニケーションのツールとして大いに普及している携帯電話だが、同時に「人の寂しさ」をも増長させているのかもしれない。

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今調査は携帯電話の懸賞サイト上で4月3日から4月4日にかけて行われたもので、有効回答数は4291人。男女比は44対56。年齢階層比は30代がもっとも多く43%、ついで20代34%など。

「携帯電話で電話そのものやメール、掲示板など受信履歴がないと寂しく思うという期間は」という問いには、「1か月以上、あるいはまったく無くても平気」と答えた人が28%いた。逆にいえば残りの72%は「何らかの期間をおくと寂しく感じる」ということになる。

■携帯電話で電話そのものやメール、掲示板など受信履歴がないと寂しく思うという期間は
・30分まで……3%
・1時間まで……4%
・3時間まで……6%
・6時間まで……4%
・半日まで……11%
・1日まで……18%
---("一日"線引き)---
・2~3日まで……15%
・1週間まで……8%
・1か月まで……3%
・1か月以上/まったくなくても平気……28%


このうち「1日まで」以下をすべて足すと46%。実に半数近くの人が「一日ケータイに連絡ないと寂しいな」と感じていることになる。「30分まで」となるとやや中毒気味の感もあるが(恐らくチャットと同じ感覚で携帯電話を使っているのだろう)、携帯電話は言葉通り「一日たりとも欠かせない、手放せない」ツールであることも分かる。またそれは「携帯電話」そのものというより、「携帯電話を介してえられるコミュニケーション」に重点があてられているに違いない。

年齢階層別などの属性別データも確認できるが、これによると「なくても平気」が男性は37%もいるのに対し女性は22%しかいないなど、男性より女性の方が「寂しがり度」が高いのが分かる。また、年齢層別では歳を経るにつれて「寂しがり度」が下がっており、特に「若年女性層」の携帯電話への注力度と生活への浸透度がうかがえる。これは【女子高生 ケータイ利用は 一日2時間 寝る間も惜しんで メールで やりとり】【携帯の利用頻度は「メール」「通話」「ネット」の順、お昼と帰宅後はメールばかり】でも分析されている通りで、特に学生女子にその傾向が強いのだろう。

一方で、最近【メルマガをはじめたこともあり】自戒の意味もこめてチェックしたいのが「携帯電話のメールや電話をもらうとき、一番不快に感じるのは」という設問。こちらでは「夜寝る時、就寝中」がもっとも多く過半数を超えていた。

■携帯電話のメールや電話をもらうとき、一番不快に感じるのは
・夜寝る時、就寝中……52%
・特に気にならない……16%
・朝起きる時間、朝食時……11%
・授業、業務時……7%
・通勤、通学時……3%
・夕食時……2%
・休憩時……1%
・昼食時……1%
・下校、退社時……0%


携帯電話の使用は「夜、食事を食べ終えてからの自由時間が一番多い」とするデータがあるが、タイミングがずれると「自分はまだ起きているのに相手はもう寝て」おり、相手に不快感を与えてしまう可能性が高い。たとえメールが気軽に送れ、相手が任意の時間に目を通せるものであったとしても、据え置き型の電話で相手に電話をかける時のような配慮を忘れないようにしたいものだ。


以前【昔手紙で今メール・昔も今も「津波」に悩まされるのに変わりなし】でも触れたが、NTTドコモのラジオ宣伝で、主人公が携帯電話でひっきりなしに会話やメールをする人が街中にあふれかえるようすを見て「二酸化炭素のように急激に人と人とのコミュニケーションが増加したのか」と嘆くシーンがある。携帯電話を「新しいコミュニケーション」と見なし、これまでの他人との意思疎通とは別物と考えれば、確かにそのような疑問は生じるだろう。

携帯電話は
「コミュニケーションツール」
に過ぎない。
大勢の人に囲まれて、しかも
一日他人と会話しなければ、
誰だって不安になる。

しかしこれが「携帯電話は道具としてのもの。他人とのコミュニケーションという点では変わらない」と考えてみればどうだろう。四方八方に他人がいる状況下の中で、それでも一日中誰一人として声をかけてこなければ、誰だって不安になるに違いない。

携帯電話は他人へのアプローチが簡単になったがため、より多くの人と語らうチャンスを得られるツールとしてそれぞれの個人の手の中に収められるようになった。携帯電話を持つ事によって、人は(インターネットという名の)雑多の中に投げ込まれたと表現しても良い。だからこそ他人からのアプローチがなければ不安度も今まで以上に増すのだろう。


(最終更新:2013/08/07)

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