携帯の利用頻度は「メール」「通話」「ネット」の順、お昼と帰宅後はメールばかり

2008年03月20日 12:00

携帯イメージ【CNET Japanの3月19日に掲載された記事「似ているようで大きく異なる2つの世界--モバイルサイトとPCサイトの違いを知る」】と、その元データとなったビデオリサーチの【モバイル利用動向調査】によれば、携帯ユーザー、特に若年層においては、通話機能よりもメール機能を多用していることが明らかになった。また、夕方の帰宅時間以降は、通話の利用頻度が減る一方でメールは高いままを示しており、もはや「メール端末」としての役割を携帯が担っている実情が、改めて証明される結果となっている。

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息を吐くかの如くメールを送信し、息を吸うかの如くメールを受信する

元データの「モバイル利用動向調査」は2004年以降毎年300サイト上のデータをしたもので、最新データは2007年11月に取得。Web・郵送調査を併用し、回収数は3000(マーケティング調査部門は1074)。ただし関東周辺(東京・神奈川・千葉・埼玉、郵送の場合は東京35キロ圏)を調査対象としているため、関東地域以外の傾向とは異なる場合がある。

「モバイル利用動向調査」の紹介ページに掲載されているサンプルデータは下記のグラフにある通り。ほぼすべての平日時間帯において、メールの利用頻度が通話を上回っていることが分かる。

携帯電話の機能別利用率(平日)
携帯電話の機能別利用率(平日)

すでに【携帯電話の「メール」利用頻度ますます増加中】【女子高生 ケータイ利用は 一日2時間 寝る間も惜しんで メールで やりとり】などで、携帯電話の機能では通話以上にメールがやりとりされ、多くの世代で携帯電話はコミュニケーションツールとして欠かせない存在にあることが提示されている。今回の「モバイル利用動向調査」でもそれが実証されたことになる。

また、時間帯別の利用頻度を見ると、授業や仕事などに従事している時間帯以外は、ほぼまんべんなくメールを利用していることも想像できる。まるで「息を吐くかの如くメールを送信し、息を吸うかの如くメールを受信する」ライフスタイルが想像できる。

同じメールやネットでも携帯利用者はパソコンとは別物

当サイトの携帯関連記事でも何度か触れてきたが、携帯電話ではパソコンと同じく電子メールをやりとりしたりインターネットへのアクセスが可能なものの、利用者の傾向や考え方はまったく別物と表現しても過言ではない。CNETの記事でも利用者の傾向の違いから、データを元に「モバイルサイトとPCサイトの違いと望まれる姿かたち」を分析・誘導している。

詳しい図表は実際に「ケータイ2008 edition」を購入するなりCNETの元記事で確認してほしいが、箇条書きに傾向をまとめると次のようになる。

・通話は男性がやや多い。帰宅まではメールと通話の利用頻度にあまり違いは無い。
・女性は圧倒的にメールが多い。すべての時間帯において通話を数倍上回っている。
・10代に限定すると男女の差無くメールの利用が通話を圧倒的に上回る。しかも全体平均の約1.5倍もの利用頻度が計測されている。
・10代ではネットの利用頻度すら通話を上回る。通話機能は二の次扱い。


携帯電話向けのサイトやサービスを構築する場合には、このような傾向、特に10代における際立った特徴を前提にして物事を考えるべきだ、と元記事では述べている。パソコンのサイト構築と同じように、全体データのみを見ていたのでは「器用貧乏」「平凡で個性・セールスポイントが無い」ものしか出来ず、ゴーストタウン化してしまうだろうというのだ。


携帯電話に限らず、サービスを提供する場合には「誰でもウェルカム」にするのか、「ターゲットを絞って機能を考える」のかどちらかを選択し、その方針に基づいて創り上げていく必要がある。日本中の老若男女すべてに向けたサイトサービスを作るより、相手をある程度特定した方が、きめ細やかで喜ばれる度合が高いものを提供できるわけだ。

利用者層を考えた
サービスの提供。
携帯電話では
利用者の傾向などが
特に重要なポイント。

例えるなら「誰でもウェルカム」はすべての客層が来店する可能性がある、和洋中すべてを一通りそろえたデパートの大衆食堂。「ターゲットを絞って機能を考える」はOLや主婦などにお昼休み・休日に足を運んでもらうべく、さまざまな低カロリーで美味しいお菓子を用意した洋菓子店といったところだろう。

概してサイトサービスの場合には、後者の方が作りやすく、相手に喜ばれやすく、そして成功しやすいもの。その最たる成功例が【会員数500万人突破・1日最高PVは4億超~携帯向けゲーム・SNSサービス「モバゲータウン」の躍進止まらず】で紹介した【ディー・エヌ・エー(2432)】提供の【モバゲータウン】といえよう。

今後現在の10代・20代の携帯利用ユーザーがそのまま年を取った場合、30代以降になってもこれまで同様に携帯電話を多用し、しかもメールから離れられないライフスタイルを送るかどうかは分からない。とはいえ毎年新しい10代・20代が登場し、彼ら・彼女らもまた同じように携帯メールに病み付きとなるのは必至。社会情勢に変化が無い限り、この傾向は変わらず、むしろ全体に占める割合が増加する可能性が高い。

その推測からすれば、携帯電話向けサービスを考える場合にはパソコン以上にユーザーの動向を正しく把握し、ニーズにあったビジネスモデルや機能の装備が求められることだろう。

(最終更新:2013/08/10)

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