あなた、貯金してます? 20代の8割が「毎月貯金」

2008年03月02日 12:00

預貯金イメージ【マクロミル(3730)】が2月29日に発表した調査結果によると、20代の約8割が毎月貯金をしていることが明らかになった。また、今後積極的にお金をかけたい項目のトップも「貯金」となり、若年層に貯蓄性向が高まっている可能性を示唆したデータとなっている(【発表リリース】)。

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今調査は2月12日から13日の間、インターネット経由で20代の男女を対象に行なわれたもの。調査対象地域は1都3県。有効回答数は312人、男女比は1対1。データ数が少なめのため世間の実情とはずれが生じている可能性を考慮した上でデータを見る必要がある。

1か月あたりどれくらい貯金をするのかという問いでは、「まったく貯金をしない」と答えた人が2割を占めている。逆にいえば、8割近い人が毎月貯金をしていることになる。

一か月あたりの貯金額
一か月あたりの貯金額

金額の絶対値そのものは収入の問題もあるので30代と比べれば全体に低い傾向があるが、それでも20代の時点でも多くの人が定期的な貯金を心がけているのが分かる。中には20代の時点で毎月10万円以上を貯金しているツワモノもおり、この比率は20代と30代であまり変わらず1割前後に達している。どの年齢層でも稼いでいる人はそれなりにいるということか。

支払いのための決算口座への貯金という意味ではなく、「貯蓄」という意味での貯金。その「貯蓄=貯金」をしている理由についてたずねたところ、男女共に「いざという時のため」がもっとも高い数字を出している。

貯蓄をしている目的(当てはまるものすべて)
貯蓄をしている目的(当てはまるものすべて)

何か突発的な出来事が発生して出費を余儀なくされた場合、慌てることなく使える、いわば「機動予備軍」のようなお金として、貯蓄を考えている人はいずれの層でもトップを占めている。特に男性より女性の方が高く、お金の勘定に対する冷静さでは女性が上ではないかと考えさせられる。

一方20代と30代で比較すると、20代は「旅行資金」「病気や事故の備え」「結婚資金」など身近なイベントに対処するため、という理由が多い。30代に入るとこれが「老後の蓄え」「子どもの教育費」など将来に向けたものとなる。いずれの年齢層でも貯蓄性向が高いのは同じだが、歳の経過と共に理由も状況に応じて変化してくるということだろう。

さて、今後積極的にお金をかけたいものは何だろうか。2007年においてもっともお金をかけたものは「外食」「国内旅行」「洋服・ファッション」「趣味」など、遊興費が上位を占めた。30代はやや「ローンの返済」が高いが、それ以外は年齢による差はあまりない。「今後」というからには、今年の目標的な意味合いも含まれるが、回答ではさまざまな遊興費を抑えて「貯金」がトップに立った。

今後積極的にお金をかけたいもの
今後積極的にお金をかけたいもの

多分に昨年の(「無駄使いしすぎたかな」などの)反省も含まれるが、昨年においては順位で6番目、率にして2割にも満たなかった「貯金」が、今年では4割を超えた44.2%に達し、国内旅行すら押さえトップに立っている。

気になるのは2007年にトップだった「外食」が7位にまで順位を落とし割合も18.6%に落ちていること。消費ではなく将来の自分への送金に値する、あるいは「まさか」に備えての貯蓄を増やし、既存の遊興費を減らしたい意向が強いということになる。今調査結果では懐具合の変化などは調べていないが、やはり景気が厳しくなることを実感し、無駄使いをひかえようという動きの一つなのかもしれない。


先に【平均金融資産は1259万円・減った人の過半数は「収入減少」が理由】で報じた金融報告中央委員会の報告書によれば、無貯蓄世帯の割合は20.6%という値が出ている。今調査の「貯金をまったくしていない」という層の2割とほぼ一致するのが興味深い。

また、「外食を減らそう」という流れは外食産業全般における売上の低迷とも結びつく。遊興費よりも貯金を重視するという動きは、「ぜいたくをひかえて節約していこう」という流れにつながり、【ガソリン・灯油・パン・めん類……「物価高騰」実感9割にも】【企業も消費者も「景気悪いね」~景気動向指数悪化・ITバブル崩壊後に近づく】あたりの内容にもつながっていく。

若年層の間にも景気後退の足音は聞こえつつあるのかもしれない。

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