2006年で6600億円以上! ポイント・マイレージ市場拡大中~業界側はサービスを絞る動きへ

2008年03月17日 06:30

カードイメージ野村総合研究所は3月19日、日本国内のポイントやマイレージに関する動向と今後の推測データを発表した。それによると2006年度に発行されたポイントやマイレージの金額は「少なくとも」6600億円程度に登ることが明らかになった。また今後の動向として規模の拡大は続き、2012年には7800億円超まで達する見込みも示している(【発表リリース】)。

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今調査は日本国内9業界のうち、ポイントやマイレージを提供している売上上位企業に対して行なわれたもの。公開情報をメインに、「最も低い値」などを業界基準値として適用し、航空については1マイル=1.5円として算出している。よって6654億3800万円という数字は下限であり、実際にはこれ以上の額に達している可能性が高い。

国内のポイント・マイレージ発行額
国内のポイント・マイレージ発行額

航空会社がトップにあるのは当然として、クレジットカード業界のショッピングにおけるポイント発行額がかなり多いのが分かる。しかも還元率の問題から、金額面ではむしろ家電量販店やクレジットカード業界の方が額が上となっていることが興味深い。ポイントの利用率が100%でないことや、発行ポイントの多くが自店舗での購入に再利用されることを考慮しても、発行企業にとっては少なからぬ負担であることがうかがえる。

グループ企業が自社傘下の店舗を一つの共同体として捕らえ、その共同体内でのサービス拡大の手法としてポイント制度を考えている傾向があることから、今後もポイント・マイレージサービスは拡大していくものと思われる。

野村総研によるポイント・マイレージサービス市場の拡大予想
野村総研によるポイント・マイレージサービス市場の拡大予想

実際にリリースでも指摘されているが【イオン(8267)】のWAONや【セブンアンドアイ・ホールディングス(3382)】のnanacoのように「ポイント・マイレージのメリット」に目を付け、顧客の囲い込みという観点からサービスを新規に提供するところも増えている。

ポイント・マイレージの急速な拡大は顧客サービスの充実・満足度の向上・囲い込みというメリットと共に、企業の財務に大きな負担をかけるデメリットも生じることになる。実際に去年後半から各カード会社がポイントのサービスを絞り始めたり、マイレージとの交換比率を引き下げたり、さらには電子マネーに入金する際のポイント付与を取りやめるところが相次いでいる。これはひとえに発行する側の「お財布事情」が原因。

さらに換金性が高まると、発行ポイントに対し発行企業側にもさらに厳しい会計処理を迫られる可能性が高い。具体的には発行ポイントに対する引当金の積み増しが求められることだろう。

この傾向が強まれば、上記のポイント・マイレージ市場の「2012年度は7800億円超」という拡大予想も、今流行の言葉よろしく「下方修正を余儀なくされる」ことになるかもしれない。


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(最終更新:2013/08/10)

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