故障スパイ衛星への迎撃ミサイル、命中を確認・ミッションの成功判断は一両日中に判明

2008年02月21日 19:35

命中イメージアメリカ国防総省は2月20日の深夜(日本時間の21日昼過ぎ)、故障したままコントロールが不能になり、このままでは毒性物質ヒドラジンが地上に散布される可能性がある、アメリカ製スパイ衛星に対する迎撃任務において、予定通り衛星に迎撃ミサイルを命中させたと発表した。予定通りヒドラジンの入ったタンクが破壊されたかどうかは24時間以内に判明するとのことで、この確認を持って迎撃任務は成功と判断されることになる(【発表リリース】)。

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今回迎撃対象となる衛星は2006年12月14日に打ち上げられたもので、発射直後から制御不能に陥っていた。現状のまま大気圏突入を許すと、1.27トンもの残骸が地上に振りまかれることになる。通常ならばこのまま落下に任せるまま放置される可能性もあったが、搭載されている450キロほどのヒドラジンが地上に飛散する場合を考慮し、今回の決断となった。

任務を遂行するのはイージス艦Lake Erie。駆逐艦Decatur(衛星の情報をShilohに提供)とRussell(Decaturの支援)がサポートについていた。迎撃に用いられたスタンダードミサイルSM-3(3発)は、衛星迎撃用として、弾道ミサイルに対するよりもはるかに速い目標を対象とするためにレーダーとソフトが改良されている。弾頭は搭載されず、衝突の衝撃のみで人工衛星(内にあるヒドラジンが入っているタンク)を破壊するのが目的だった。

リリースによるとイージス艦Lake Erie はアメリカ東部標準時20日午後10時26分(日本時間で21日午後0時26分)に艦対空スタンダードミサイルを発射。同ミサイルは1万7000mph(秒速7.6キロメートル)以上のスピードで飛行する対象人工衛星を高度247キロメートル上空で捕らえ、命中した。

発表では24時間以内に目的通り燃料タンクを破壊したかどうかが確認できるという。また予定通り破壊できたとすれば、衛星自身も含め飛び散った残骸のほとんどは24時間から48時間以内に大気圏に突入して燃えつき、残りの残骸も40日以内には同じように燃え尽きるだろうとしている。


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