12月の新設住宅戸数、前年同月比19.2%減で底打ち感あり・建築確認件数に不穏な動きも

2008年02月01日 06:30

住宅イメージ国土交通省は1月31日、2007年12月における新設住宅戸数のデータを発表した。それによると12月の新設住宅戸数は前年の同月比で19.2%減の8万7214戸に留まり、6か月連続して前年同月比で減少したことが明らかになった。ただし先月比では先月以来三か月連続の増加となり、また、前年同月比のマイナスポイントも着実に減りつつあることなど、先月から引き続き底打ち感が見受けられる。(【発表リリース、PDF】)。

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具体的な内訳は持家が6.0%、貸家は14.4%、分譲住宅は35.5%の減少。とりわけ分譲住宅のうちマンションは49.7%と先月同様非常に大きな減少率を見せた。ただ、これら列挙した数字すべてにおいて、昨月よりは改善されている。先月から引き続き、全体の販売戸数同様、底打ち感を体感できる。

改正建築基準法の施行は、くだんの「姉歯建設設計事務所による耐震強度偽装事件」をきっかけに全国で多数発覚した耐震偽装の再発を防ぐためのもの。住宅を着工するのに必要な建築確認の審査を厳しくして審査期間も延長。さらに検査機関以外に専門家も確認するなど、複数のプロセスを経るようにした。

事件を教訓として安全な住宅を市民に提供するという意図は正しいものであり、業界そのものの改善や住宅を供給される市民にはプラスとなる。しかし行政側の準備不足や不手際(特に「大臣認定プログラム」や審査担当者絶対数の不足)が目立ち今回の混乱、そして結果としての新設住宅戸数の減少をもたらしている。現在においても新ルールに基づいた「大臣認定プログラム」が販売されていないなど、事態の収拾は現在進行中(【関係者一堂でデバッグと前倒し講習開始・構造計算ソフトの開発体制強化へ】にもあるように官民あげて完成に向けたまい進を続けている)。

新設住宅戸数の変遷
新設住宅戸数の変遷(2007年12月分まで)

グラフや各種データを見る限り、激減した8月分からほぼ横ばいに推移していたデータも10月分からは上昇傾向を継続しており、二か月前の発表分で推定された「底打感」が確実に裏づけられた形となった。相変わらず前年同月比はマイナスの粋を脱しておらず、前年とほぼ変わらずの域に達するまでにはもう数か月は必要だと思われることや、「認定ソフト」の問題もあるためため今しばらく状況の観察が必要だが、最悪の時期は脱したと見て良いだろう。

また、着工床面積概要も同様の下落を示しているが、先月同様に住居用の減少率の方が高い結果となっている。事務所が38.8%減と軟調なのが気になるが、店舗用が73.8%増と大幅に増えているのが頼もしく見受けられる。あるいは小売店業界でも店舗の統廃合と新規展開で消費不況を乗り切ろうと模索しており、その結果店舗着工面積が増えているのかもしれない。

耐震強度偽装問題を教訓にした
「改正建築基準法」の施行
→行政の不手際などで
新築戸数などが激減
→今夏で底打ち。
本格的な再上昇の気運あり

国土交通省では同日、住宅着工に一か月ほど先行するといわれている建築確認件数も発表している(【「最近の建築確認件数等の状況について」発表リリース】)。これによると全体では交付数において5月が前年同月比で6.5%マイナスだったのに対し6月は9.7%、7月に入ると大きく下がり39.4%、8月には24.5%そして9月には27.5%それぞれマイナスを記録しているが、10月には11.1%・11月には9.6%のマイナスと若干回復の兆しを見せていた。しかしながら最新の12月分データでは11.5%のマイナスと、再び1.9ポイントの下落が見られた。あるいは耐震強度偽装問題と「大臣認定プログラム」云々による不振の回復以上に、景気全体の後退が影響しているのかもしれない。今しばらく、注意深くデータを観察する必要がある。

国土交通省から今回発表されたデータは、先月同様改正建築基準法施行の影響の大きさ、そしてその影響による住宅不況の底打ち感を推定できるものとして注目されている。【改正建築基準法で影響を受ける周辺業界たち】でも触れたように、建設業そのものだけでなく周辺業界への影響も深刻化の一途をたどっている。底打ち感が本物であれば、これら周辺業界の状況もじきに改善の方向に進むものと思われる。特にこの時期にこのような結果が出たことは、来年に向けた期待を得られるものとして好感できよう。

……ただ、建築確認件数がやや下ぶれしたのが気になるところではある。次回2月29日以降に発表される、2008年1月期におけるデータに注目したいところだ。


(最終更新:2013/08/14)

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