関係者一堂でデバッグと前倒し講習開始・構造計算ソフトの開発体制強化へ

2008年01月09日 06:30

建築中のビルイメージ【国土交通省】は1月8日、耐震強度の偽装問題の原因となった書類の改ざんを防止するソフトウェア「大臣認定構造計算プログラム」(構造計算ソフト)について、いまだ開発が終了していないことを受けて、プログラムの確認作業(要はデバック)に建設会社や検査機関側なども参加する体制を作り、開発速度を上げる方針を明らかにした(【発表リリース】)。「構造計算ソフト」の開発完了・市販の遅れが昨今の「改正建築基準法不況」をもたらしている最大の理由とも言われているだけに、対応が急がれている。

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「構造計算ソフト」とは「設計した建物の構造を計算するソフト」のこと。素材や設置場所、工法を入力すると、建物の強度や建築基準法上問題があるのか無いのかを計算してくれるソフト。建築士などが設計した建物が、強度などの構造上問題が無いのか、建築基準法に抵触しないものなのかをチェックする、一番の「お役立ちソフト」。お客のニーズにあった建物を作っても、強度の面で問題があれば、国土交通省から許可はおりないのは当然の話だが、そのチェックを事前に行なうことができる。

当ソフトで「問題なし」という結果が出れば、その結果と共に建築の許諾申請を出すことで、事実上簡単な検査のクリアで建築許可がおりるというメリットがある(構造計算ソフトですでに、役所レベルでの大部分の確認は済んでいるという前提から)。

しかしこの「構造計算ソフト」、【改正建築基準法最大の問題点!? 大臣認定ソフトが未だに完成していない現実】にもあるように、開発が遅れている。そもそも仕様が固まったのが法令施行直前という体たらくなわけなので仕方の無い面はある。それでも10月の時点で「来年にずれこむ可能性がある」とされていたが、結局その「来年」である今年になっても、いまだ完成の気配すらない。

今回の発表リリースによると、開発促進チームを【NTTデータ(9613)】(現在もっとも「構造計算ソフト」の開発状況が先行している)や建設会社、審査機関などで作り、国土交通省と密接な連絡を取り合いながら協力体制を構築。開発途中(α版かβ版?)のソフトをとりあえず稼動できる状態にまでもっていき、その上で1月21日をめどに「仮認定」。その上でこの開発促進チームによって試行的にソフトを使ってデバッグ(不具合探し)をすると共に、全国の設計事務所などに対してこのソフトの使い方に関する研修会を実施するという。

国土交通省側ではこの開発促進チームの構築と「現場レベルでのデバッグとソフトの利用方法に関する研修を同時に実施する」ことで、プログラムの完成を2月中に前倒ししたいとしている。

プログラム開発は単に人間の頭数を増やせばその分だけ開発スピードが上がるわけではない(人数を2倍にしても開発期間が半分にはならない)。単純作業の分担で効率が上がる部分もあるが、現場の管理や個々の開発者のスキル、分担作業をしている部分の統括など、複雑な要素が絡み合っている。今回の体制構築でデバッグなどの作業における開発速度促進は図られ、現場の「ソフトが完成しても使いこなすまでに時間がかかる」という不満も幾分緩和されそうだが、当初予定の4月完成からどこまで前倒しできるのか、今のところは未知数。注意深く様子を見守りたいところだ。


(最終更新:2013/08/18)

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