東証、プロ用新市場をロンドンと共同で検討か

2007年10月19日 06:30

株式イメージNHKが関係者の話として伝えるところによると、国際化を目指している東京証券取引所は、海外の新興企業の上場を促進するため、ロンドン証券取引所と共同で上場基準を緩和した、新しい株式市場の創設に向けて検討を進めていることが明らかになった。今件についてロンドン・東京両証券取引所から正式なリリースは発表されていない。

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元記事では関係者の話として、東証はすでに提携している(参照:【東証とロンドン証取が業務提携で合意・ETF創設や相互市場アクセスなどを検討】)ロンドン証券取引所と共同で新市場を創設するため、担当者をロンドンに派遣して協議を進めているという。

新取引所は「海外の企業が数多く上場している新興市場をすでに運営しているロンドン証券取引所のノウハウを取り込み」「海外の新興企業が上場しやすいよう英語での情報開示や国際会計基準での上場を認める」「上場基準を緩める代わりにリスクがとれる金融機関や大口投資家向けの市場」方針だという。特に最後の、対象となる投資家については、先に【「プロ投資家は純資産3億円以上」金融庁が法令改正案で提示】でもお伝えした法律による定義上の「プロ投資家」を指すものと思われる。

東証ではすでに新興企業向けの市場としては「マザーズ」があるが、今回創設が構想されているのは、日本国内の投資家の間で海外の金融商品に対する関心が高まっていることも一因だとしている。

国内の新興企業向け市場としては「マザーズ」以外に「ジャスダック」や、大阪証券取引所の「ヘラクレス」、各地方証券取引所があり、さらに【ジャスダックによる新市場「NEO」が8月13日から新設】でもお伝えしているように、ジャスダック内で「NEO」が新設されている。これらの既存新興企業向け市場との区別化はもちろん、「海外の」新興市場も対象にするという観点や「プロ投資家」を対象に絞ることで独自性を出そうというのが東証側の狙いだと思われる。

上場をひかえて東証が色々と新しいアイディアを出して新企画を打ち出し、市場の活性化を図ろうとしているのは悪くないお話。願わくばこれら「色目」に注意を奪われ、既存市場の健全化やシステムの安定など「まず最初にしなければならないこと」への注力が軽んじられることのないよう、くれぐれも気をつけてほしいものだ。

(最終更新:2013/08/19)

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