付録がオマケか本紙がオマケか・大人も楽しめる付録つきの本たち

2007年09月13日 19:35

そろばんイメージ先に【「うちのカミさんがね~」もデアゴスティーニ化・『隔週刊 刑事コロンボ』10月9日から発売】で紹介したデアゴスティーニ社の企画本に代表されるように、最近では付録つきを前提とする雑誌が増えてきた。また、一般の雑誌にも付録をつけて、競合他紙との区別化を図ろうとする傾向がある。中には【「大人のコロコロ」こと「熱血!!コロコロ伝説」5月25日から発売】に例えられるように、本紙がメインか付録がメインか分からないようなものまで出てきた。先に放送された[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]では、それらの中でも「大人も楽しめる付録本」を取り上げ、非常に興味深い内容となっていた。あらためて概略的にそれらの「付録紙」を紹介していくことにしよう。

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指の運動で頭も活性化・そろばん付の計算ドリル 

最初に紹介されていたのは、「そろばん」付の計算ドリル『そろばんでたどる和算の旅―楽しくはじいて、脳をきたえる』。分からない人はいないと思うが念のために説明しておくと、「そろばん」とは「算盤」と書き、この記事のトップ左側カットにあるような形の、昔の計算機。指でこの玉を上下に弾いて加減乗除を行なう。今では電卓が普及したのでほとんど使われなくなったが、ほんの十数年前までは盛んに使われ、子どもの塾通いの行き先も「そろばん塾」が上位を占めていたほどだ。

この「そろばんでたどる和算の旅」は、弥次・喜多(やじ・きた)コンビと共に東海道の旅をしながらそろばんで和算を楽しむという、いわば「そろばんを使った計算を武器にした江戸時代風ロールプレイングゲーム」。物語を楽しめながら、そろばんの技術を習得できるという一挙両得な内容。元々そろばんは指を多用するため、頭脳の活性化にはプラスに働くとされていたが、番組ではご老体の方が老化防止もかねて熱心に計算をしていた。楽しみながら計算が出来るというのは良いお話であり、ゲームで身体を動かして健康な肉体をつくるというコンセプトにも似ている。

コスメに科学アイテムに色鉛筆……企画の一環としての「付録つき」雑誌

続いて紹介されたのは、さまざまな付録がつくことが前提となっている雑誌。雑誌の企画にマッチした付録を毎号のようにつけて、企画そのものに奥行きを持たせようという話。例えば『smart』は眉毛やひげのお手入れセットが毎号ついてくるし、『大人の科学マガジン』では楽しく身近に科学を楽しもうというコンセプトから「茶運び人形」「プラネタリウム」「機械時計」「ラジオキット」など、興味深い科学アイテムが付属している。

また、普段は子ども向けと思われている塗り絵を大人も楽しんでしまおうということで『大人の塗り絵 水彩色鉛筆BOX』も紹介されていた。こちには水彩色鉛筆20色付。当方は絵が壊滅的に下手なので、塗り絵でも多分気分転換どころかストレスが溜まってしまうと思われるが(笑)、落ち着いた性格の人なら丹念に時間をかけて良い絵が出来上がることだろう。

実践的に使える聴診器付の本

最後に紹介されていたのが『聴診器ブック』。使い方や身体のメカニズムを解説した本と共に、お医者さんが使っているあの「聴診器」がそのままついてくる、ちょっと気になる本。解説本といっても難しい医学書の類ではなく、絵本のような書かれ方をしているので、誰でも気軽に聴診器の世界を楽しめるとのこと。

添付しているのは、一般用医療機器として許可を得た「膜型シングル聴診器」。解説本に描かれている「どんな時にどのような音がするのか」などの説明を読みながら、聴診器を充ててみるだけでもちょっと不思議な気分になれる。番組では実際に親が毎日子どもの様子を聴診器を使って調べていた。

「生兵法は大けがの元」という言葉にもあるように、素人が聴診器で「診察」して子どもの病状を判断するのは問題があるが、「ちょっと変だな?」という子どものシグナルを見つけ出すのに、単に顔色や体温だけで判断するよりは良いかもしれない。

何より我が子の鼓動を毎日聴くことで、ますます愛おしさを覚えるだろうし、子どもも親への親近感を肌身を持って感じることになるだろう。


紙媒体の売行き不振が叫ばれる中、ネット上の記事展開やウェブコミックなどとの違いを見出しにくくなり、ますます販売に窮するようになった雑誌業界。行き詰った現状を打破するための策の一つとして、繰り返しになるが、付録のような「インターネットでは不可能な特色」を付加し、競合他紙はもちろんネットとの区別化・個性化を見出す傾向が見受けられる。

元々「オマケ」としての付録が大好きな購買層にとっては、願ったりかなったりで嬉しいお話ではある。本紙の内容にはあまり興味はないが、オマケがほしくてつい手を伸ばしてしまった、という経験をしたことのある人も多いはず。

これからも「現物の本」ならではの特色を活かした付録で、大いに楽しませてほしいものである。


(最終更新:2013/09/08)

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