「ワクチンの量は十分」・大臣は予防接種を推薦~はしか流行さらに広まる

2007年05月23日 06:30

医療イメージ【国立感染症研究所】や各種報道が伝えるところによると、ゴールデンウィーク明け以降麻疹(ましん・はしか)の流行は急速に進み、15歳以上の患者数は一週間前の倍以上に達したことが明らかになった。また、はしか単独のワクチンの在庫数は底を尽きつつあるが、風しんとの金剛ワクチンは毎月十万人分以上が量産されるため、供給数に問題はないと厚生労働省側では述べている。

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同研究所の発表や報道機関が伝えるところによれば、2007年18週(4月30日から5月6日)に全国約450か所の医療機関から報告された、15歳以上のはしか患者数は25例。19週(5月7日から13日)は53例と、ゴールデンウィーク明け以降報告例が2倍以上に増えている。

過去の事例をみても5月から6月がはしか流行のピークにあたるため、今後さらに短期的には患者数が増加する可能性があるとし、注意を呼びかけている。また柳沢厚生労働大臣も5月22日の閣議後の記者会見のあとで、「今まではしかにかかったことがなく、予防接種を受けていない人は、できるだけワクチン接種をしてほしい」と訴えている。

そのワクチン数についてだが、日本国内にある製薬会社の在庫は現在6万人分にまで減っていたことが明らかにった。これは5月21日までの5日間で5万人分、はしかの流行が騒がれだした4月中旬以降であわせて19万人分の出荷が行われた結果によるもので、急に需要が増えていることがわかる。はしかワクチンの製造には半年ほどかかるため、次の生産分追加は9月頃になるため、このペースでいくと今月中には在庫が底をつく可能性がある。

しかし「はしかと風しんの混合ワクチン」(麻疹風疹混合(MR)ワクチン)は21日までの5日間で18万人分が出荷され、在庫は16万人分にまで減っているが、生産量は毎月十万人分以上に登るため、厚生労働省側では「供給量に問題は無い」と述べている。

今回流行しているはしかは、10代・20代の若年層に発症例が多いことや、関東地区で多発していることが特徴として挙げられる。前者はワクチンの摂取時期や摂取率、後者は人口密集地域であることが要因と思われる。

大学全校の休校や学部単位での休講、高校の休校も相次いでおり、他の教育機関もはしかへの警戒を強めている。過去のデータを見る限り、6月を過ぎればはしか流行のピークは過ぎ去るものと思われるため、それまでの間は積極的な外出をひかえるなど、感染する可能性のある行動を自重した方がよいのかもしれない。


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(最終更新:2013/08/21)

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