「どうせ」を「だから」に変えてみよう!~考え方から自分を変えてみる5か条・「たった5分間で自分を変える方法」を手に入れて(4)

2007年05月20日 19:30

【身の回りから変えてみる6か条・「たった5分間で自分を変える方法」を手に入れて(1)】にはじまる、『キッパリ! たった5分間で自分を変える方法』の各項目のうちいくかを自分なりに解釈したり理解して、さらには自爆ネタというエッセンスを加えて再考察してみようという話。第四回目となる今回は、「気持ちから、変えてみる!」項目から5つほどを抜き出してみる。

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人間という生き物は一人一人の「想い」で他人との違いを見出して自己を確立し、日々生活している。映画『マトリックス』に登場したバーチャルワールドではないが、極端な話、想いがあまりにも強ければそれは現実と何ら変わらなくなる。逆に考えれば、自分自身でポジティブな「想い」を持つ手法を見つけ、それを実践していけば、きっと自分は良くなっていく。

今回紹介する5項目は具体的には次の通り。

・難しい仕事は、カンタンな仕事をひとつ終えてからすぐにとりかかる。
・夜空を見上げる。
・一日10回、「ありがとう」と言う。
・「遅い」「今さら」「どうせ」は禁句にする。
・ラッキーなことを、数える。


本誌にはこれ以外にもさまざまな項目が説明されているが、この5項目は特に当方にも想い入れがあり、あるいは非常に同意できる部分があったので取り上げることにした。

難しい仕事は、カンタンな仕事をひとつ終えてからすぐにとりかかる。

難しい、あるいは時間や手間がかかる仕事が目の前にあると、どうしてもスタートすること自身にちゅうちょしてしまったり、なんとか始めることができてもモチベーションが上がらないもの。ゴールの見えないマラソンほど、つらいものはない。

「キッパリ!」ではこんな時、簡単ですぐに片付く仕事をはじめ、仕事をすること自体の体制に身体や心をスライドするよう勧めている。そして簡単な仕事が終わったら次は少々難しい仕事、そして困難な仕事に向かう。もし難しい仕事に疲れたら、また楽な仕事をする、と説明している。

「実践目標は小刻みに」という言葉があるが、これはこまめにゴールを設定しておき、目標を果たした時の達成感やモチベーションの高まりを断続的に経験することで、全体の作業の効率を高めるというもの。何の目印もなく単にまっすぐなだけの42.195キロを走るより、5キロごとに「あと何キロ」という看板が立てかけてあったり給水場が用意してあった方が、区切られたゴールでの「ここまで来たんだ!」という充足感を得られ、ゴールまで到達しやすくなるというもの。

難しい仕事にはいきなりとりかからずに、準備体操的な「簡単な仕事」をこなして心と身体のエンジンをかけ、本走りになってから難しい仕事にとりかかる。疲れたらまた簡単な仕事をして、心身共に休ませる。

ただしここで本格的に休んでしまうと、再度「仕事をしている」モードにとりかかるまでに時間と気力がかかってしまうので要注意。エンジンも一度切ってしまうと再起動までに時間と燃料を食うものだ。

夜空を見上げる。

満天の夜空イメージ「東京には空が無い」とは「智惠子抄」の有名な一節ではあるが、最近では都内だけでなく大都市圏では大気汚染によって夜空にきれいにまばたく星々をみかけることが難しくなった。また、夜は夜で昼以上に忙しく、「上を向いて歩こう」などという余裕も無い人がほとんどだろう。

「キッパリ!」では5分でもいいから夜空を見上げ、星を見つめることを薦めている。自分が抱えていることが小さく思えてくるし、上を眺めているポーズは肩こりにもプラスになるという。

都心では難しいかもしれないが、出来れば人工建造物が視界に入らず、目に見えるものすべてが夜空と星という状況になるように、仰向けになって寝ることをおすすめする。一戸建てやマンションに住んでいる人なら屋上や上の階のベランダあたり、そうでない人は河原や広い公園の芝生あたりはどうだろうか(もちろん安全を確認の上)。

視界すべてが夜空で埋め尽くされ、その中を無数の星が輝いている。そんな状況でじっと星たちを数分間眺めていると、妙な感覚におちいることがある。自分自身がどこにいるのか分からず、宙に浮いている……というか、夜空に吸い込まれるような錯覚に陥るものだ。仏教に詳しい人に話を聞くと、夜空をずっと眺めて心を研ぎ澄ますことで、悟りを開くことができるらしいが、そのような話は当方の専門分野ではないからこの際置いておく(笑)。

当方はといえば、高校時代に天文学部にいた関係から、夏休みに同輩たちと共に夜になると学校の屋上で寝袋に入り、方角ごとに分担を決めて天体観測(流れ星の統計)をしたものだ。その時に何度と無く「妙な感覚」を体験したが、決まってそのあとは色々な悩み事がどうでもよくなったものである。

しかし現実ってのは意外と厳しい。翌日になればケロっとその「気持ちよさ」を忘れ、また余計なことを色々と思い悩むものだった。だめじゃん、当時の俺。

一日10回、「ありがとう」と言う。

日本一の高額納税者にしてざっくばらんな経営哲学でも知られている斉藤一人氏による語録では、あちこちで「ありがとう」という言葉が登場する。感謝を重ねることで自分自身の今いる立場を再確認し、自分が今生きているのではなく「生かされている」ことを実感できるというものだ。

「キッパリ!」では「ありがとう」を一日10回言うことで、自分がいかに多くの人やものに支えられているかが分かり、心に余裕が持てるようになる、としている。そして「ありがとうは、言えば言うほど心が温まる呪文である」と述べている。

道端を行く身も知らずの人にいきなり「ありがとう」というと変な目で見られるかもしれないのでそれは止めておくべきだ。「ありがとう」を言う対象は人間である必要はない。食べ物に、そしてその食べ物を育んだ自然に、そして無事に生きていられる自分自身の元気な身体に。そう考えると、感謝しなければならない対象はいくらでも出てくる。

先の斎藤氏によれば、一日10回どころではなく「『ありがとうありがとう』を一日100回は言おうね」と語っている。100回はさすがに難しいかもしれないが、自分を自分足らしめるさまざまな人や物に感謝する気持ちを持つように心がければ、一日10回の「ありがとう」などお昼前には済んでしまうことだろう。そしてその一回一回が、自分自身へのいやしの言葉にもつながるに違いない。

「遅い」「今さら」「どうせ」は禁句にする。

「遅い」「今さら」「どうせ」
この3ワードを禁句にするだけで
ずいぶんと気持ちは変わってくる。
要は気持ちの持ちよう。

先に【口癖を変えてみる】でも説明したが、物事のとらえ方というものは基準線、表現次第でどうにでもなるもの。事実はどうあがいても変えようがないのだから、ポジティブに考えてとらえ、自分自身を良い方向に変えていく心構えをするべきだ。何度と無く意識してポジティブに思考することで、次第にそれが頭の中で固定化され、物事を良いように考えるようになる。訓練すれば誰でもがポジティブシンキングなマインドを持てるようになる。

ポジティブシンキングな思考は自分自身の考えを錯覚させて、行動も良い方向にいつの間にかスライドさせてくれる。これまであきらめの範ちゅうにあったことですら、挑戦してするようになる。そしてそれは成功するかもしれない。まかぬタネは生えないのだ。

「もう遅いから」「今さらやったって」「どうせダメなんだし」と自分で可能性の芽を摘み取っては、そこで終わりになってしまう。そこで思考停止しては先に進むことはできない。

「もう遅いから」の「から」は誰が決めた? まだ間に合うかもしれないじゃない? 「今さらやったって」というけど、本当にそうなの? もしかしたら今が良い機会かもしれないし天佑といえる時期なのかもしれない。「どうせ」っていうけどやってもいないのになぜうまくいかないと断言できる? 「どうせ」ダメならやってみたっていいじゃない。ダメ元で、うまくいけばラッキーなのだから。

一か月断食しろ、とか収入の9割を貯金しろというような無理無謀をしろという話ではない。もしかしたらひょっとしたらごくわずかだけど成功する可能性があるかもしれないことについて、始めから可能性を捨て去っていては、一番損をするのは自分自身。どうしても「どうせ」を使いたいのなら、「どうせやってもやらなくても同じなんだから、やってみた方が面白いじゃない?」と考えてみよう。

ラッキーなことを、数える。

四葉のクローバーイメージ「宝くじが当たった!」「Wiiのプレゼントに当選した!」「コンサートで良い席のチケットが取れた!」など、非日常的な幸運は滅多におきないもの。しかしラッキーな、幸運なことはそれら「滅多におきないこと」だけなのだろうか。これも「考え方」次第だが、自分の身のまわりにラッキーなことはいくらでもあるものだ。

どんな些細なことだってかまわない。通勤(通学)の際に座席に座れた。卵を割ってみたら黄身が二つ入っていた。持ち株を買った直後にポジティブサプライズがあった。買い物をしたら端数をおまけしてもらえた。探していた本が自分が注文(購入)したのが最後の一冊だった。いつも品切れの手作り惣菜が今日はたまたま手に入った。家に帰った途端大降りの雨が降ってきた。などなど。

要は世の中を見る「メガネ」を架け替えてみると、世の中まんざらじゃないなと思えてくるものだ。どんなちっぽけなことでも「ラッキー」と思ったら、それを受け流すのではなく、「ああ、良いことがあったな」と思い返して反すうし、自分の心の中で堪能する。そしてカウンティングしてその数の多さに再度にっこりとしてみる。気持ちがラッキーで埋め尽くされれば、ハッピーな気分になり、さらにラッキーなことも呼び込めるだろう。

またもや斉藤一人氏の話になるが、氏は語録で「ありがとう」と共に「ついてる」を繰り返し述べることでも知られている。そしてさらに「ついている」を口癖にしよう、とまで言っている。繰り返し口にすることで、自然に何を見ても「ついている」と考えるようになり、ポジティブな思考が自然に働くようになるというものだ。


「キッパリ!」についてのまとめはあともう一、二回行うつもり。今回も合わせて四回かみ砕いてみた限りでは、「キッパリ!」に限らずあちこちで語られている教訓や語録には、案外ポイントや真髄の部分で共通するところが多いのが分かる。

おおもとの「知っておいた方が良いよ」という柱の部分はそれほど多くなく、それをいかにうまく、分かりやすく、そして人それぞれの言葉で表現するかで、星の数ほどの教訓や教え、語録集、教育用・啓蒙プログラムが形として出来上がるということなのだろう。

逆に考えれば、それらの事柄は実はそれほど難しいものではない、ということになる。だからこそ「キッパリ!」も副題で「たった5分間で自分を変える方法」と、そんなに難しいことではない、5分もあれば出来ることなんだよ、と訴えかけているのだろう。


(最終更新:2013/09/08)

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