東証新サイトで子ども向け投資教室開設

2007年04月03日 19:30

東証ティーンズ・スクール シェア先生の経済教室イメージ先に【東証、自社サイトを大幅リニューアル】でお伝えしたように【東京証券取引所】が年度替りを機会にサイトの大幅なリニューアルを実施したが、そのリニューアルの際にいくつか新しいコンテンツも登場した。その中の一つが、子ども向け投資教室【東証ティーンズ・スクール シェア先生の経済教室】。ふくろうのような(ふくろう博士ではない)先生「シェア先生」をはじめとするユカイな仲間たちと一緒に、高校一年生のメイちゃんが楽しく投資を中心とした経済について学んでいくという内容だ。

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【NHKの「週刊こどもニュース」が面白い】でも触れたが、子ども向けのコンテンツ(作成)は一見「説明する内容が少なくて楽でいいな」という印象とは裏腹に、「いかに事実を正しく簡素に、そして分かりやすく伝えるか」という点で非常に難しい。作るのに苦労するだけでなく、見る側の興味関心をひきつける要素も加えなければいけない。単に簡単にしただけでは何の面白みもないものができてしまう。この「難しさ」はゲーム作りやサイト構築にも共通するものがある。

その一方、幼い時から経済、特に投資の仕組みについて学習する場を設けることはきわめて重要。社会人になってからいきなり金銭感覚を身につけろと言われても急には難しいし、「お金のセンス」は幼い時から磨いた方がより洗練されるもの。数式や用語をしっかりと覚えていなくとも、「ああ、お金の儲け方、お金の流れってこういうものなのだな」という概念が分かっているのといないのとでは、成人してから大きな違いが出る。

今回東証サイトで開設された「シェア先生の経済教室」はそれらを考慮したのだろう、中・高校生向けの金融サイトという位置づけのもの。フラッシュを多用してアニメ調のキャラクタが画面上を所狭しと駆け巡りながら、見る人の興味を誘う見た目になっている。


トップページ。じっと見ていると登場キャラクタがちょこまかと動き回る。

経済、金融上の色々な疑問点や要点について3分で説明する動画コーナー。ボケ役の「成程(なるほど)くん」とツッコミ・解説役の「反羽根(それはね)さん」が登場する。しかしネーミングセンスが(以下略)

以前の東証のサイトは善しにつけ悪しにつけ、「堅苦しい、前世紀的」な雰囲気の強い体裁だった。今回のリニューアルでは全面的に角が取れたような、今風の企業サイトのような印象を強く持つもので、今回紹介した「シェア先生の経済教室」も以前の東証サイトなら考えられなかったようなコンテンツだ。

世界の先進他国と比べると幼少・若年層への経済・金融・投資教育が遅れている日本の取引所としては、指をくわえて黙って見ているわけには行かないということで作られたのが、今回の新コーナーだろう。「よくわかる経済ニュース」もキャッチコピーやテーマなどは、まるでNHKの「週刊こどもニュース」を意識しているかのようでもある。その辺は何となくほほえましい。

メインターゲットは「中高校生」ということだが、それにしては登場キャラクタが少々幼いような気がする。その一方、中学生には難しいかな、と思われる文章が多く見受けられること(例えば「よくわかる経済ニュース」のテキストは、中学生では頭を抱えてしまうのではないだろうか)から、イマイチターゲットを絞りきれてないような感があるのは否めない。

実際にどこまで多くのターゲットユーザーに支持されるのか、今のところは未知数。しかしこのサイト上の展開以外にも【授業レポート】にあるように東証では小学校から高校までの学校に出かけ、経済や金融の出張授業をも行っている。当方も今回このサイトの記事を執筆するにあたり、調べてみて初めて知った。

ファーストステップだから色々とかみ合わないところや、勘違いしている、微妙にすれ違う面もあるだろう。しかしこれから幾らでも、何度でも修正はできるし、さまざまなコンテンツを追加したり企画を立案することもできる。東証にはこのような「将来の資本家・投資家育成」のためのプログラムにより一層勤しんでほしいものだ。


(最終更新:2013/08/22)

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