みすず監査法人の実質解体正式発表

2007年02月21日 06:30

株式イメージ4大大手監査法人の一角をなす監査法人のみすず監査法人(旧・中央青山監査法人)は2月20日、今年の7月をめどに業務を【新日本】【あずさ】【トーマツ】の3監査法人などに移管すると正式発表した(【参照:NIKKEI NeT】など)。信用力の低下に歯止めがきかず、業務の継続を事実上断念した形となる。

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これは2月20日にみすず監査法人の片山英木理事長が記者会見に臨み明らかにしたもので、監査先の企業における不正会計事件が相次ぎ、信用力が低下。監査法人として業務を継続することが困難と判断したため。ただ、すぐに移管するのではなく、今3月決算企業などの監査業務はこれまでどおり実施することで、現在監査をしている企業への影響は抑える。

片山理事長は記者会見の中で、「社員・職員の全部または一部を移籍させる協議に入ることで、3監査法人と基本合意した」と述べ、すでに所属公認会計士や一般職員を移籍させる先の3監査法人と合意が済んでいることを明らかにすると共に、今回事実上の解体に踏み切るのは「信用が棄損し、監査業務を遂行するには不透明な状態」であるからと説明した。

具体的にどのような形で監査業務の業務移管を行うかや、現在なお2500人ほど所属している公認会計士のうち、どの程度をどの監査法人に移管するかについては今後細部を詰めていくことになる。また、すでに分身ともいえるあらた監査法人へ少なくない数の会計士らが移籍しているが、今回発表された移籍先には含まれていない。

ただ、単に「会計士や職員の移籍と担当会計企業の監査移行」といっても、監査法人によって監査の手法には違いがあるため、一筋縄ではいかない。業務そのものや会計士の移籍がスムースに進まない場合も出てくるものと思わる。現在数を減らしているとはいえ、いまだに600社ほどの上場企業の会計監査を行っているだけに、これらの企業の監査に影響が出てくる可能性も指摘されている。

一般の企業以上に、信頼を創造し信用が大切な業務を執り行っているのが監査法人。その監査法人(の構成会計士)が信頼を損なうことを繰り返していたのでは、業務自体が成り立たなくなってしまう。今回のみすず監査法人の顛末は、それを如実に表しているのに他ならない。業務移管に伴う混乱が最小限に留まることを祈ろう。


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