日興問題で監査法人も処分対象の可能性

2006年12月19日 19:30

株式イメージ【証券取引等監視委員会】が12月18日、【日興コーディアルグループ(8603)】に対し5億円の課徴金納付を命じるよう【金融庁】に勧告した件について、山本有二金融相は12月19日、閣議後の記者会見の中で、担当していた監査法人に対しても問題が確認されれば処分を行うことを含め、厳正に対処する考えを示した。

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これは【日興コーディアルグループ(8603)の不適正決算問題、全面的に認め、監理ポストへ】にもあるように、2005年3月期の決算を、子会社・孫会社間のデリバティブ取引を用いて経常利益を多く見せたとして財務諸表の正当性に問題ありと指摘されたもの。

今件について山本金融相は「(取り締まり監視すべき)証券会社が情報開示という重要事項について法令違反をしたもので、たいへん残念だ。関係者はしっかり再発防止策を講じてほしい」と述べた上で、委員会の勧告の通り課徴金の納付を命じるかどうか検討する考えを示した。その上で、日興側が「1社員の不正によるもの」と主張していることに対し「1個人の所業ということですまされるのか。十分な説明がつくようにしてもらいたい」と苦言を呈している。

さらに財務諸表の問題につき担当していた中央青山監査法人(現在は【みすず監査法人】)が「問題なし」と念を押す形で容認していた責任については「職責を全うしていなかった場合には、法令に基づいて厳正に対処していかなくてはならない」とし、場合によっては処分を含めた対応を検討する考えを示した。

これまでの報道を総合すると今件については

・問題性への指摘は昨年末あたりから行われていた
・国会でも3月16日に答弁が行われ、当時の与謝野金融担当相が調査する考えを表明
・日興内部文章が発覚の発端
・監査担当の中央青山監査法人(当時)が今回問題ありとされている財務諸表には「問題なし」と何度も太鼓判を押していた
・日興からは「子会社の1社員による独断」という見解。当局側では相応の立場の人物が関与と判断。


などが列挙できる。

今回山本金融相が監査法人に対しても厳しい見解を示したことで、今件が当局からも重要視されていることがうかがえる。課徴金の有無がその姿勢を判断する一つの材料となるだけに、金融庁の動きが気になるところだ。

なお本日の日興コーディアルグループの株価は年初来最安値を更新しストップ安1219円(前日比200円安)のまま底値で張り付き。88万5500株が比例配分で約定したが、6119万1500万株を売り残して場を引けている。金融庁の判断次第で、上下いずれにも大きく株価が「ぶれる」ことは間違いあるまい。

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