健康志向でハト麦やあわ、黒米などの「雑穀」復権

2007年02月19日 06:30

玄米イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]の報によると、健康と食生活に対する関心があらためて高まる中、ハト麦や粟(あわ)、黒米などの「雑穀」の消費が少しずつ増えているという。お米屋やスーパーで販売されるだけでなく、今や「ご飯」をもっとも身近に感じるコンビニのおにぎりでもおなじみになっているとのこと。

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元記事にもあるように、銀シャリこと白米が一般的に庶民の口にも入るようになったのは江戸時代以降。江戸末期においては白米を食べることが江戸っ子風情としてもてはやされ、白米だけを食べていたため栄養が偏ってしまいビタミンB1などが不足し、「かっけ」が流行。「江戸わずらい」と呼ばれるようになったというエピソードがあるくらい。しかしながら太平洋戦争後のお米の増産政策が功を奏し、また香りや味、食感などが白米に劣るとされ、戦前まで農村の多くで主流だった雑穀は白米に取って代わられるようになった。

しかしここ数年来、身近な健康食品として、特に豊富な栄養素や食物繊維の含有量などが見直され、さらに生命力の強さから無農薬栽培にも適しており「健康志向」ブームにもマッチすることから、日本国内でも雑穀のニーズが高まり、同時に生産も回復を果たしつつあるという。昨今では【三か月で8キロやせたホリエモン、麦飯が注目集めるが早速ピザを注文す】でも報じたように、東京拘置所内で麦飯の食生活を過ごした堀江貴文・元ライブドア社長がダイエットに成功したことで、麦飯に注目が集まるようになったことが記憶に新しい。

元記事によれば、雑穀を取り巻く環境もさまざまに変わり、状況は好転しつつあるという。例えば【日本雑穀協会】なるものが設立され、雑穀の知識普及と認知度の向上を模索している。雑穀に関するノウハウを身につけた人を「雑穀エキスパート」「雑穀アドバイザー」、そして最上級の「雑穀ソムリエ」と命じる本格的な資格制度も新設し、権威付けも行っている。「雑穀ソムリエ」ともなると「雑穀の栄養・調理法に精通したプロフェッショナル」という定義がなされ、雑穀の栄養や調理に関する専門的なスキルを取得していると認定されるという。ワインのソムリエはよく耳にするが、あれと似たような形で和食店において、「このハト麦は●×県で採れた▲年物の◎○という品種を~」というのだろうかと想像すると、ちょっと面白い(実際にはそんなことはないだろうが)。

日立アプライアンスでは、開発担当もこの「雑穀エキスパート」資格を取得した上で開発した電気炊飯器『甘みふっくら』を発売している。これは雑穀の炊き分け機能を備えており、まさにエキスパートの知識を活かした形。説明書によると、「アマランサス」「あわ」「押し麦」「ハト麦」「黒米」などの雑穀炊きを想定し、圧力とスチームを加減して炊き分けるコースの中から、雑穀のブレンドにあわせた炊き方を選べる。

雑穀の広まりは幅広い年齢層に渡っており、若年齢層には「美容・ダイエット」、熟年層には「健康維持」、高齢者には「懐かしさ」でウケているとのこと。また、通常の袋詰めだけでなく、さまざまな雑穀を種類別だけでなく効能別に小分けした袋(スティックタイプ)で購入し、好みや気分で白米への混ぜ方・種類を変えていくのが流行っているという。

【麦飯、玄米、五穀米……素朴な米食を見直してみる】でもお伝えしたが、雑穀は正直なところ「白米」と比べれば美味しいとはいえない。昔と比べれば品種改良などで随分味は改善されているのだろうが、白米と比べればクセが強いと感じる人も多いだろう。しかし、今は惣菜が豊富になり、調理法も進歩している。常日頃口にしている白米にちょっと工夫するなり入れ替えるだけで、健康に寄与することができるのなら、ご飯の味が多少変わったとしても差し引きで考えると十分プラスとなるのではないだろうか。

むしろ主食の味わいに変化を与えることで、単調な食生活とおさらばでき、健康にもプラスとなれば、一石二鳥に違いない。


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(最終更新:2013/09/12)

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