食物アレルギーに配慮した食品、続々発売

2006年12月09日 09:30

家族で食事イメージ【Mainichi INTERACTIVE】などが報じているように、卵や小麦にアレルギー反応を示す人(特に子ども)のために、それらの食材を用いないケーキやおせち、カレーなどの商品が相次いで発売されている。単に「アレルギーの子どもがいても家族みんなで同じものを食べて食事を楽しみたい」とお客のニーズに応え、購入層を広げようという狙いだけでなく、健康志向やアレルギーという問題が広範囲に及びつつあることを表す一端といえそうだ。

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「米粉と豆乳クリームのケーキ」イメージ●セブン・イレブンなどの「米粉と豆乳クリームのケーキ」
【セブン・イレブン(3382)】では今年、埼玉県・千葉県の地域限定ながらも特定原材料5品目(卵・小麦・乳・そば・落花生)を使用していない「米粉と豆乳クリームのケーキ5号」(4,500円)を発売する(関連リリース)。これは元々グループ企業の【イトーヨーカドーで限定販売】していたが(写真もイトーヨーカドーのもの)、今年は生産ラインが確保できたのでセブンイレブンでも販売できることになった。元記事によれば「どんなお客様にも対応しようと商品作りを始めたが、健康ブームで関心が強まっている」とのこと。

アレルゲン配慮おせち「のぞみ」イメージ●石井食品のアレルゲン配慮おせち「のぞみ」
【石井食品(2894)】では【企業理念・方針】にもあるように「製造過程で食品添加物は使わない」「品質保証番号で製品管理」「厳選した素材を使用」の3原則をかかげ、ミートボールやチキンハンバーグなどの主力肉製品にも卵や牛乳を使わない製品の提供をはじめている(【関連ページ】)。アレルゲンに配慮した【のぞみ】というおせちも開発した。いわく「お正月に家族で同じおせちを食べたい、というお客様の声が力になった」とのこと

「エー・ラベル」イメージ●永谷園のアレルギー配慮商品「エー・ラベル」
【永谷園(2899)】では、「卵・乳・小麦・そば・落花生・大豆」だけでなく「香料・着色料・化学調味料」を使わずに作った商品【エーラベル】を全面的にリニューアルしている。元々小麦粉を芋のでんぷんなどで代替したレトルトカレーの試作品が好評だったため本格展開されたもので、最近ではレトルトカレーが投入される。「『子供に初めてカレーを食べさせられた』という感謝の声も寄せられている。利益にはならないが、必要とする人がいる限り商品開発を続けたい」とのこと。

今回元記事に掲載されてたのは3件のみだが、このほかにもいくつかの食品メーカーなどが同様の動きを見せ、商品を展開している。当方(不破)は幸いにもアレルギー体質ではないが、別件で食事制限を受けており、最近ではそれもかなりゆるめになったものの、それでも制限管理用の食品・食材を常に使用しているし、【Garbageclinic.com】で展開している関連食品などについて必至になって調べた経験がある。また、検査のために通院すると、待合室などでアレルギーに苦しむ患者(特に子ども)が目に付き、いたたまれない気持ちになる。

アレルギーについては食生活、特に(先に話題になっている「トランス脂肪酸」などの)人工食品がトリガーになっているのではないかという説もあるが、詳しいことは分からない。少なくとも近年になって症状を訴える人が増えてきたのは確かであり、その時期に変わったこと、あるいはそれまでに蓄積されてきたことが原因ということは推測できよう。

原因の特定と病状の改善については今後の医学の進歩を祈るしかない。一方で、今現在発症して悩んでいる本人や周囲の人たちには、病状を弱める手法をあらゆる手で打つだけでなく、今回の「食事への配慮」のように、少しでも他の人と同じような、「気にさせない、気持ちに負担をかけない」「自分を責めさせない」気配りが必要になることだろう。

(最終更新:2013/08/31)

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