ステルスマーケティングが×なワケ……プラスがマイナスに転化する時のエネルギー・1(定義)

2007年01月08日 22:00

これまでに何度か当サイトで、ステルスマーケティングについて「ネットの普及と共に広まりつつあるが、これは良くない手法だ」と報じてきた。ここで改めて「ステルスマーケティングがどうしていけないのか、なぜ見つかると反発を受けるのか」について考えてみる。

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「ステルスマーケティング」の定義
まずはステルスマーケティングの定義。おおもとは「ステルス(隠された)」な「マーケティング(市場調査、広告)」。英語表記では「Stealth Marketing」。消費者や読み手、受け取り手に「宣伝」と気づかれないように宣伝行為をすることである。

例えば、新しいお菓子を開発したメーカーがブログ運営者に謝礼とそのお菓子を手渡し、「たまたまお店で見かけて買ってみたらおいしかったよ!」と書いて欲しいと依頼され、その通りに自分のブログで記事にしたら、それは間違いなく「ステルスマーケティング」になる。謝礼をもらわずに新製品の提供を受けて高評価をするよう依頼されても、あるいはその会社の社員が一般人を装ってブログやサイトでほめても同じこと。

これに対して、「これは広告です」と表記したり、商品や謝礼を受けていることを表記した上で広報展開をすることを、便宜上「オープンマーケティング」と呼ぶことにする。ごく普通の広告ももちろんこれに含まれる。たまにネガティブ広告(あえてその商品のマイナスな面を表して印象を与える)も見受けられるが、たいていはその商品の長所が語られることになる。

一方、広告ではない世間一般のブログやサイト、各種記事や口コミなどで展開される感想も、ある商品に対する評価媒体として多数存在する。企業側の意図が働かない、純粋に近い評価なわけだ(これをここでは便宜上「通常感想」と呼ぶ)。

これら3通りの「商品に対する評価の意思表示」の違いは何だろうか。それらの記事を読んだとき、第三者が見た感想、気持ちから考えてみよう。

「通常感想」は公正な評価として受け入れられる。「オープンマーケティング」は「広告だしなぁ、ホントかな」と色眼鏡で見られる。「ステルスマーケティング」はばれない限り、「通常感想」に近い評価が得られる。
「通常感想」は公正な評価として受け入れられる。「オープンマーケティング」は「広告だしなぁ、ホントかな」と色眼鏡で見られる。「ステルスマーケティング」はばれない限り、「通常感想」に近い評価が得られる。

「通常感想」は色眼鏡の無い素の感想、公正な天秤を使った評価として受け入れられるので、第三者が見ても期待度・信頼度は高いものになる。これが有名人や自分と近い考えを持つ人、スキルの高い評論家ならなおさら。一方「オープンマーケティング」は何らかの提供を受けたりプラス評価をするよう指示を受けている、あるいは受けているかもしれないがため、「本当だろうか」というさい疑の目を向けざるを得なくなる。一般の広告ならなおさら。

「ステルスマーケティング」の場合は、ばれない限り、「通常感想」と同じであり、普通の広告より高い評価を受け、信頼されることになる。


■一連の記事:
【ステルスマーケティングが×なワケ……プラスがマイナスに転化する時のエネルギー・1(定義)】
【ステルスマーケティングが×なワケ……プラスがマイナスに転化する時のエネルギー・2(発覚時)】
【ステルスマーケティングが×なワケ……プラスがマイナスに転化する時のエネルギー・3(なぜ流行るのか)】
【ステルスマーケティングが×なワケ……プラスがマイナスに転化する時のエネルギー・4(まとめ)】

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