ケータイ+漫画=新しいニーズ!? 急増する電子書籍をひも解く

2006年12月30日 10:00

書籍イメージ【BCNランキング】において、最近急増して今後さらなる発展が期待できる、ケータイ(携帯電話)やPDA、パソコンなどで見ることができる「電子書籍」、特にケータイ向けのものに関する分かりやすいまとめ記事が掲載された。現状と今後を眺め見るのに最適と思われるので、ここに紹介しておくことにする。

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記事によるとケータイで本が読める「書籍サイト」はこの1年間で3倍近くに急増。現在【NTTドコモ(9437)】が58、【KDDI(au)(9433)】が118、【ソフトバンク(モバイル)(9984)】が79サイトに及ぶという。元記事では電子書籍をマンガ、小説それぞれについていくつかのコンテンツを実際にダウンロードしてさまざまな観点から分析している。実際に利用してみないとわからないポイントや、未体験者が気になる「どうやって読むの?」「アプリケーションは何をつかうの?」「ケータイのバイブレーション機能を用いた展開があるっていう話だけど?」という疑問にも答えているのが興味深い。特に、小説においては縦横表示が切り替えられること、漢字にルビをふる機能があるあたり、初めて知る人も多いだろう。

また、次のような指摘もあり、思わず「なるほど」とうなづいてしまった。

しかし、マンガの場合は1コマずつ表示されるため次の展開が見えない。その分、紙のマンガよりもドキドキするし、小説はメールの感覚で読み進めることができた。


紙媒体の漫画や小説の場合はページの割り振りで似たような演出をする。例えば前ページで人々が集まっている様子を描き、次のページでは見開きでびっくりするような催しが行われているような表現の絵や文章が描かれているとする。読者は前ページで「何があるんだ?」「どうしてこんなに皆が騒いでいるんだ」と胸をときめかせながらページをめくると、「ああ、なるほど!」と驚き、漫画・文章内の人たちと気持ちを共感し、一体感を得ることができる。その「感情移入度」がケータイでの配信だとより高まるということだ。

また、一般の紹介記事ではあまり触れられない、コンテンツのダウンロードに関する料金について、具体的な金額が推測されているのも注目に値する。実際にサービスを利用してみようかと考えている人には大いに参考になるだろう。

さらに「ダウンロードした書籍などは永久保存できるのではなく、事実上同一端末を使用している間しか閲覧できない」という話も述べられている。これも一部読者には気になるところであり、しっかりと検証されているのには好感が持てる。

ケータイで広がる漫画や小説がここまで受け入れられるようになったのは、そのお気軽さが最大のポイントであるに他ならない。「お気軽さ」と「保存性」は相反するものではないが、別に連動すべきものと決め付けることもない。最近はブームも過ぎたが、既存の人気漫画をテーマ毎に再編集してミニサイズの文庫本としてまとめ、100円~300円くらいの安価な価格でコンビニやキオスクなどで販売するスタイルが提唱され、これが大いに受けているようすを見ると、「ケータイ漫画・小説」はこの「ミニサイズ文庫」のケータイ版ではないかと思えてくる。

「ミニサイズ文庫」を普通の単行本と同じように大切に保管している人がそれほど多くない(古本屋でも単行本以上に、それこそ山のように見受けられる)ことを考えると、「保存できなくてもよいからその場でちょっと、あるいは何度か楽しめればそれでよい」という使い捨て型の漫画・小説の楽しみ方がケータイでの閲覧に実にしっくりきたからこそ、急速に利用が広まっているのだろう。


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