「人の食べ物とは思えない」という意見も……生徒は3人に1人が「美味しくない」、保護者は9割が「美味しい」との回答

2006年12月23日 09:30

懐かしい給食イメージ【asahi.com】が報じたところによると、東京都小平市の中学生3500人に対して行われたアンケート結果で、中学生の3人に1人が給食を「まずい(原文では「おいしくない」と表現)」と感じているという調査結果が明らかになった。一方で保護者によるアンケートでは同様の答えはわずか2%に過ぎず、親子間での味覚の違いが浮き彫りになっている。

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元記事によると、これは東京都小平市・市立学校給食センターが行った調査で、中学生3900人に対して3500人からの回答データを元に分析されたもの。給食の感想について、

・おいしい……13%
・どちらかといえばおいしい……39%
・どらちかといえばおいしくない……23%
・おいしくない……12%
・その他……12%


という結果が出た。

自由記入欄には「人の食べ物とは思えない」や「コンビニ弁当の方がいい」などという意見もあり、実際問題としてひじきや切り干し大根などの和食で残食が多いとのこと。残飯も1日に500キロほど生じ、これらは畜産業者に引き取ってもらっているという。

一方、【保護者91人に回答してもらった同様のアンケート】では、

・おいしい……64%
・普通……34%
・まずい……2%


という結果が出ている。

生徒が給食の味にダメ出しをしている理由はいくつも推測できるが、主なものを挙げると

・コンビニ弁当やスナック菓子、ファストフードなどになれて味覚が変化しているのでは
・栄養や衛生を第一に考えているため、薄味になったり生野菜を出せなかったりするなどの制約がある
・給食時間が短い(「時間が足りない」という回答が4割近い)
・食生活の多様化
・自己中心的な考え、食生活に対する甘やかしの姿勢に慣れてしまっている


などが考えられる。

「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃないの」((C)マリーアントワネット、とされている※)という言葉ではないが、子どもの望むままにお菓子ばかり与える家庭も少なからず出てきているという話をよく耳にする。また、時間不足からしっかりとした料理を作る余裕がなく、レトルトやコンビニ弁当ばかりの家庭も多いだろう。普段食べなれているものがお菓子やファストフード、コンビニ弁当ばかりなら、給食の料理が「自分が知っている食べ物では無い」と認識してしまうのも無理はない。

さらに当方(不破)の体験から言わせてもらえば、学校給食には時々、奇を狙ったのかそれとも色々とメニューの開発をしているからなのか、「どこをどうすればこんな料理が出来るんだ」的な味・内容のものが登場することがある。「人の食べ物とは思えない」というセリフは、この料理を指したものだと思いたい。

とはいえ食生活の煩雑さによる体への影響は、時間の経過と共に、確実に生じるのもまた事実。無茶な食生活を続けることで、十年、二十年後に生活習慣病などに代表されるような病症にさいなまれるのは誰でもない、本人である。給食への拒否反応は、子どものうちはそれが分からないからというのもあるのだろう。

親や教育機関は色々な工夫をしながら、食育などの時間をさいて諭(さと)し、食生活・食文化の大切さを教える必要があるのだろう。少なくとも給食を目の前にした生徒から「人の食べ物とは思えない」という意見が出るのは、色々な問題が存在する証拠といえよう。

※「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃないの」……贅沢を極めたマリーアントワネットを表現する言葉としてよく用いられるが、実際にはこの言葉はマリー自身のセリフではない。さらに「お菓子」だが、原典では「ブリオッシュ」という当時は保存食的な乾パンのことを指しており、ぜいたく品ではないこともあわせて記しておく。


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(最終更新:2013/08/23)

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