ケータイでの漫画配信、66.1%が「利用する予定ナシ」

2006年10月05日 12:30

モバイルイメージ『NIKKEi NeT』によると携帯電話ユーザーで携帯電話向けの漫画配信サービスを過去一年間に利用したことがあるのは1割弱に過ぎず、さらに7割近くは今後利用する予定がないことが明らかになった。供給側は配信量を増やし期待をかけているものの、空回りしている状況がうかがえる。

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元記事によれば今調査結果は【マクロミル(3730)】経由で9月末に、12歳から50歳のネット利用者を対象に行われ、953人からの回答によるデータのもの。過去一年間に携帯電話の漫画配信サービスを利用したことがある人は8.9%にとどまり、「利用したことはないがしてみたい」とする人も25.0%に過ぎず、「利用したことはなく、今後利用する予定もない」が66.1%にのぼった。

利用する予定がない回答者にその理由を複数回答で尋ねたところ、

携帯電話は読みづらそう……47.3%
サービスをよく知らない……40.0%
読みたい作品がない……18.6%
反応速度が遅そう……16.5%
持っている端末が対応していない……13.0%


という結果が出た。いずれもコンテンツ配信側から見れば耳の痛いポイントをついているといえよう。

「読みたい作品がない」という点は、既存メディアとの絡み(携帯に流しすぎると既存メディアの売れ行きが落ちると反発がある)もあって問題解決は難しそう。だが、他の問題は今後の努力次第で解決できる可能性があるのが幸いといえる。

たとえば「携帯電話は読みづらそう」という意見には、読みやすくできる仕組みを作り出してそれをアピールする。「反応速度が遅そう」という点の解消も、読みやすさを提供するキーポイントになるだろう。「サービスをよく知らない」には、宣伝をするなり既存メディアとの連携を強化するのも良い。「読みたい作品がない」以外は一様にシステムレベルの問題であって、今後製作側の工夫や技術の進展でどうにかなるのも、今後の可能性を示唆している。

「見やすくするには操作を極力少なくすればいい」「たとえばパソコン上のフラッシュアニメと同じような提供方法はどうか」「それだと結局ワンセグのような動画配信と同じになってしまう」など新たな問題も生じそうでは在る。小説などのテキスト配信と違い、超えねばならないハードルは高く、そして多い。

しかし出版社にしてみれば紙媒体など既存のコンテンツを有効に活用できるという利点はきわめて大きいのも事実。今後、ますます携帯電話への漫画配信の動きは加速するだろう。


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(最終更新:2013/08/26)

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