魚沼産といつわり長野の米を販売した精米業者に再発防止を指示

2006年08月12日 19:00

大将イメージ『Mainichi INTERACTIVE』によると長野県は8月11日、長野県内の米4.2トンを新潟県の魚沼産コシヒカリと表示して販売したとして、JAS法に基づき同県波田町の精米業『大将』に適正表示と再発防止の徹底を指示した。

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元記事によると同社は昨年10月から半年間、魚沼産と表示した袋詰めの精米5.8トンを販売したが、実際には魚沼産は1.6トンしか仕入れていなかった。残りの4.2トンは長野県産コシヒカリを混ぜ、そのうえで「魚沼産」として販売していた。さらに福島県産の「ひとめぼれ」を宮城県産として販売していたという。

今件は今年2月に長野県が行った抜き打ちのDNA検査で混入が判明したもの。同社では「台帳の管理が行き届かず、精米の過程で誤って混入してしまった。消費者の信頼を裏切ったことをおわびしたい」と説明している。

主な販売ルートである楽天市場内でも相当量が販売していたようだが(売上成績の良い店舗に与えられる「ゴールド」扱いを受けている)、現在は「改装中」としてアクセスは出来ない。また、今件に関する説明も一切行われていない。【ヤフーショッピング】ではまだアクセスできるが、今件に関する事情説明は皆無のようである。

産地そのものの違いを「台帳の管理ミス」と説明するあたり、すでに頭を抱えたくもなる。どこをどうすれば「本来の銘柄が1.6トンで残りは別の安い銘柄4.2トンを混ぜる」というミスが出来るのかと考えると、単なるミスではなく意図的な混合であると疑われても仕方がないお話。

米の銘柄の偽装話は今件に限らず全国で相次いでおり、その対策も色々考えられている。例えば新潟・魚沼産については「コシヒカリBL」化を図りブランドの偽装を一発で判別できるような仕組みを施した。今回の事態発覚も、DNA検査によるもので、恐らくはこの「仕組み」で判明したものと思われる。

ほとんどの消費者にしてみれば指摘されない限り、お米の美味しさはあまり判別できないというのが実情だろう(もちろん飛びぬけて美味しかったりその逆なら話は別だが)。だからといって、少しでも儲けようという魂胆で銘柄の偽装をしたり混ぜ物を含ませるのは、商売人として云々以前に農家、農作物を取扱うものとして失格ではないだろうか。まさに「お天道様に顔向けできない」ということに他ならない。

大多数の農家の人や精米業者が一生懸命になって真面目に働き、少しでも美味しいお米を消費者に届けようと努力している。消費者もお店やネット経由でそれらの人たちの努力のありさまを知って、感謝しながら一粒一粒をかみしめるように味わって食べている。そのような信頼関係がごく一部の心無い人たちの手によって踏みにじられるとするのなら、とても悲しいことだ。実家が農家で、小さいときには田植えなどの米作りを手伝った経験のある当方(不破)としては、余計に悲しくなることしきりである。


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(最終更新:2013/09/02)

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