ファイザー、「500円以上なら禁煙する」意見が過半数などの調査結果報告

2006年06月24日 12:45

たばこイメージ【ファイザー製薬】は6月23日、東京や大阪など全国7都市に住む喫煙者700人にアンケートを行い、7月1日から実施されるたばこ税増税による値上げでも「禁煙しようと思わない」人が65.3%を占める一方で、それらの人でも「仮に1箱の価格が500円以上になれば禁煙する」と思う人が55.7%に及ぶことが明らかになった(【発表リリースページ】)。

スポンサードリンク

今回のたばこ税増税ではマイルドセブンが1箱300円になるなどインパクトが大きく、各店舗でも値上げに備えたまとめ買いを奨励するなどさまざまな動きが見受けられる。ファイザーでは各種禁煙関係の医療品を発売するほかに、【ファイザー、日本でも今秋に禁煙治療薬「バレニクリン」を申請】にもあるように今秋にも禁煙治療薬「バレニクリン」を発売する予定があるなど、禁煙対策に本腰を入れている。今回の調査もその流れといえよう。

調査結果の詳細はリンク先から確認してほしいが、3年前のたばこ税増税や今回の増税で禁煙に挑戦した・する人は増えており、たばこの値上げが禁煙促進に効果があることを示している。また、地域によって禁煙しようと考える割合・禁煙成功の自信が微妙に異なるのが興味深い(もっとも計測人数が合計で700人と少ないため誤差の可能性もある)。禁煙の理由としては「健康のため」がもっとも多く45.7%。ついで「お金のため」で37.0%となっている。

禁煙とたばこの値上げの関係については、【たばこ増税、1本1円案で与党調整】にもあるように、「500円に値上げすれば禁煙率が3.8%減り、(禁煙率を加味しても)税収は7388億円増える」や「イギリスでは消費税などもあわせると小売価格が1000円」というように、さまざまな意見や実例がある。今回の値上げでは「値上げでも禁煙はしない」とする人が65.3%にも及び、値上げによる禁煙者の増加はあまり望めないことがうかがえる。

一方で「300円から399円ならば」禁煙すると答えた人が9.0%に過ぎなかったのに対し、「400円以上500円未満」が20.8%、「500円以上」の選択肢を選んだ人が55.7%と、500円以上になれば実に76.5%の人が禁煙を考えるという結果が出ている。もっとも価格がいくら上がっても禁煙しない人も14.7%いるので、増税などによる価格上昇面から禁煙者を増やすには限度があるのも事実のようだ。

値上げによる需要の減少と販売個数あたりの収益の増加のバランスがどこまで取れるか、販売元の【JT(2914)】も気が気でないのは確かだろう。


■関連記事:
【禁煙パッチなどの生活改善薬が保険適用 製薬会社は販売拡大に本腰】
【ファイザー、脳内でニコチン中毒を撃退する禁煙薬チャンティックス承認】

(最終更新:2013/08/27)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ