「朝食補完計画」岡山の小中学校で開始

2006年05月10日 19:30

家族で朝食イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、朝食をとらずに登校する児童が増えている問題を考慮し、岡山県美咲町は5月11日から、町内の全小中学校で登校時に希望する児童生徒に対し、牛乳や乳製品の無料配布を始める。朝食を補完し、健康で心豊かな子供を育てるのが狙いだという。

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記事によると町の教育委員会の調査で町内における小中学生の2割が朝食を採っておらず、彼らは空腹のまま授業を受けるために落ち着きがないというケースが見られるという。つまり「学校崩壊」と呼ばれる一因が朝食抜きにあると結論付けた。

このため「小中学校食育推進事業」として町が主体となり、岡山県の酪農乳業協会・県学校給食会など8団体で構成される食育推進協議会の協力で、牛乳、ヨーグルト6種、チーズ3種の計10種類を無料提供することにした。

具体的には毎朝、登校時か一時間目の授業終了時、希望する児童生徒に1人2品を限度に好きな製品を無料支給、ランチルームなどで食べさせるという。必要となる経費は年間約1200万円とのことだが、これは町が全額負担するとのこと。

町の教育委員会では「保護者に朝食の重要性を認識してもらえれば。強制ではなく、あくまで飲食は子供たちの自由」とコメントしているという。

当サイトでも何度か取り上げたが、朝食を採らない生徒の増加は社会問題となりつつあるのは事実。「朝食は必要だからとりましょうね、採るように制度を整えますよ」という考え方は必要。そしてこれもまた別で報じているが供給過剰気味で廃棄処分もあった乳製品を配布するのは非常に有意義だといえる。

だが今元記事でも「なぜ朝食を採らないのか」という根本的な問題・理由については触れられていない。関連団体でも手を加えてはいないような雰囲気が元記事からはうかがえる。プライベートな問題だから、というのが理由だろう。ただ、コメントの中に「保護者に朝食の重要性を認識してもらえれば」とあるので、暗に「子供に罪はないから今回はこのように朝食の代わりとなるものを提供しますけど、ご両親の方々は面倒くさがらずにちゃんと子供に朝食を作ってあげてください」と主張しているようにも受け取れる。

「子は親を写す鏡」ともいう言葉もあるし、子供の心身を健全化するには、まず大人たちの健全化が必要なのかもしれない。


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(最終更新:2013/08/28)

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