食育の重要性再認識へ~10代・20代は食事に無関心との調査結果

2006年05月07日 19:00

時節イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]によると10代から20代の若い世代は、朝食を食べない人の割合が他の世代に比べて高く、食事への関心度も低いことがNHKの世論調査で明らかになった。全国の16歳以上の3600人を対象に行った調査で2422人から得た回答による。

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この調査の中で朝食について尋ねたところ、「自宅やファストフード店、喫茶店などを合わせて朝食を食べた人」は91%、食べない人は9%。しかし年齢・性別で詳しく見てみると、朝食を食べない人は10代・20代の場合は男性で25%、女性で20%におよび、若い世代でその割合が高いことが判明。さらに「食事で気をつけていること」(複数回答)については、「一日三食」が60%でもっとも高く、次いで「栄養のバランスに気をつける」が54%。「特に無い」は12%に過ぎなかった。しかしこちらも10代・20代に限定した数字では、男性は35%・女性23%とこちらも若い世代に高い傾向が見られた。

知っていますか子どもたちの食卓―食生活からからだと心がみえるイメージ若い世代は「朝食も採らず食事に関心が薄い割合が高い」という今回の調査結果について、食生活問題に詳しい女子栄養大学の足立己幸名誉教授は「今回の結果は若者の食への無関心さをあらわしているといえる。これは、家庭や学校で勉強などが優先され、食事への配慮が後回しにされてきた結果だと思う。こうした若者が家庭を持ったときの食生活が心配される」とその結果を危惧している(『足立己幸名誉教授をアマゾンで調べた限り』では、確かに『知っていますか子どもたちの食卓―食生活からからだと心がみえる』をはじめ、食育問題に長けている教授であることがうかがえ、その教授の言は重い意味合いを持つように思われる)。

若年層で「朝食を採らない」「食生活に無関心」という割合がそれぞれ2割に達していることは、「食事について心配する必要がないのだから、食生活に関心を持つわけがない」という現在の飽食状況を表していると好意的に解釈するともできる。だがやはり、ごく普通に考えれば教授の指摘どおり、食事に対するさまざまな知識・知恵の学習を後回しにした「世の中の仕組み」の結果がじわじわと、悪い方向で現れてきたといえよう。

「衣食住」の言葉に代表されるように、食事は人間にとって欠かせない生活要因の一つ。それを軽んじて何が文化的な生活か、とこぶしをあげる人もいるだろう。そこまで粋がることは無くとも、「生活習慣病」やさまざまなアレルギー体質の問題、花粉症など、ここ数十年の間に身近・拡大化しつつあるさまざまな病理も、食生活の変化・無関心に関係がまったく無いとはいえない。いや、恐らく多くの面で関係するだろう。

教育はすべての根幹であると共に、対策の効果が現れるには時間がかかるもの。今から腰を上げて間に合うかどうかは分からないが、やらないよりははるかにマシ。食育への注力をこれまで以上に高める必要が今回の調査で明らかになったといえるだろう。


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(最終更新:2013/09/18)

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