想像以上に深刻なのかも……食育と朝食欠食の子供たち

2006年03月23日 08:30

家族で朝食イメージ先に【「朝ご飯はきちんと食べましょう」小学生の朝食抜きをゼロにしよう、内閣府が食育基本計画案設定】で「小学生の朝食抜きをゼロにしよう」という問題や、食を本当の意味で学んでいく「食育」の話を取り上げた。その記事につけられたトラックバックをいくつか確認していたところ、どうしても取り上げねばならないと実感した記事にたどり着いた。今回はそれを元にした内容をフォロー記事として掲載する。

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トラックバックをたどった先は【語り合おう】【地元の食材で給食を-食育基本計画案】の記事。やはり「食育推進基本計画検討会」に関する記事なのだが、元記事のコメントに留まらず、管理人が実際に実地調査をしたところに興味がそそられた。いわく、管理人はある地方で小学生の子供を持つPTA役員の一人らしい。

2年前に同様の調査をしたところ、一割ほどの子供が朝食を食べてこないという結果が出たものの、子供たちはその結果をインチキだと語る。そこでPTAは家庭生活全般を尋ねたところ、エラい結果が出たというのだ。

いわく、「6割の子供が一週間のうちで一日でも朝食を食べてこない日がある」言い換えれば「毎朝朝食を食べてくる子は4割にしか過ぎない」というのだ。

地域、環境による誤差もあるだろう。このブログの信憑性についても(先のN代議士の件ではないが)百%完全に間違いないといえるだけの証拠を当方(不破)は持ち合わせていない。だがそれらを差し引いても、驚愕すべき内容ではある。いや、確かに朝食を抜いている子供が多いという話は先の記事以前にも耳にはしていたが。

しかしもっと驚いたのは「なぜ朝食を食べない」のかその理由。朝食を食べない子供の半分はダイエットとか生活パターンの都合。それは個人の自由だから仕方ないといえばそれまで。問題なのは残りの半分。「親が朝食を作ってくれない」というのだ。

その理由も、読んで見ると頭を抱えたくなってしまった。

●親がいない。
・仕事でいない
・離婚していない
・母親が亡くなっていない(自殺を含む)
●親が朝になっても寝ている。
・母親らの仕事が、深夜まで
・いちばん多いのが「家事がめんどうくさくて作ってもらえない
・親が寝ていて作ってもらえない子どもの中には、父親がいるときは、作ってもらえる
・コンビニで買えと、朝食代を渡される
●貧乏で、朝食をつくるお金がない。


「食育」とか言っているレベル以前の問題が山積しているような気さえしてきた。「学校の給食費が無くなって、恵まれない生徒が盗んだのではないかと疑われる」ようなシーンは昔のドラマやアニメのワンシーンだけの話であり、少なくとも現在では「いにしえのお話」として記憶に残るのみだと考えていた。その一方、「給食費が払えなくて給食が食べられない、学費が無いのでノートや鉛筆が買えずに先生が肩代わりしている」という実情を語る記事もちらほらと目にしている。

「経済上の事情で食事が食べられない(お金が無い、母親が仕事に就ききりにならざるを得ず結果として作る時間がない)」というのと、「子供に対する愛情が希薄化して作ってもらえない(めんどうで、寝ていて、コンビニで買えとお金を渡される)」というのはまったく別の問題(離婚や死別は昔からある。もっとも「自殺を含む」というのは少々気になるところ)。ではあるが、現在の親子関係における大きな問題提議そのままを如実にあらわしているような気がしてならない。

管理人の地域は田舎とあるが、もしかすると住民同士の結びつきが薄い新興住宅街なのかもしれない、だからこそこのような結果が出たのかもしれない。いや、違うのだろうがそう思いたい。でなければ、都市エリアではもっと目を疑いたくなるような結果が出かねない。

お受験だのエリート教育だの少子化政策だのと騒がれている一方で、確実にもう一つ、中長期的な視点で考えた上で「日本の将来を担う人材」に対する不安が沸き起こってきた。

「食育」はあくまでも食事の面からの「生活の質(QOL)」向上を図るものでしかない。だが食事は人間の行動基本指針や生活の基本をあらわす「衣食住」という言葉の一つに挙げられるくらい重要なもの。今のゆがんだ食生活を変えることで、いや、食生活を正しい方向に修正することで、他のゆがんだ部分も少しずつ補正されるのかもしれない。

幸いにも自分は身体が弱かったせいもあるが、毎日朝食を母親に作ってもらっていた。一人暮らしをはじめてからも、自分で朝食は欠かさず作って食べている(今は諸事情からほとんど抜いているが)。仮に幼いときに上のような理由で朝食を食べられなかったら、今の自分はこの世に居ただろうか。それを考えると、胸が張り裂けそうになる。切なくなる。元々涙もろい自分だが、目が思わず潤んでしまう。

もし自分にそれだけの力があるのなら、何か手を差し伸べたい。そんな気さえおきてくる。

世代を超えたひずみやゆがみは、時間が経たないとその影響はわかりにくい。今はまだ、間に合うのだろうか。

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