「電気用品安全法」元々は新製品のみを対象、法令のどこにも中古品該当との記述なし

2006年03月05日 12:20

PSEマークイメージ【しんぶん赤旗】などの指摘によれば、「電気用品安全法」の猶予期間終了で4月からPSEマークの無い中古家電製品などが事業としては販売できなくなる問題について、同法の趣旨は元々製造メーカーが新たに製造・販売する製品を対象にしたものだったこと、中古品が対象になることは電気用品安全法の法令集「電気用品安全法関係法令集」には記載されていないことが明らかになった。3月1日の衆議院予算委員会分科会で日本共産党の塩川鉄也議員が質問したことに対し、経済産業省の迎陽一商務流通審議官が回答したもの。

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一連のやり取りは【衆議院TV】で閲覧することができるが、概要は次の通り。

(塩川議員)
電気用品安全法に関する中古品の扱いについては誰がいつどこできめたことなのか?
(迎陽一流通審議官).
電気用品安全法は電気用品取締法の一部を改正したもの。電気用品取締法において中古品は排除されていない。中古品は当然含まれる。改正された電気用品安全法もしかり。
(塩川議員).
そのような記述はどこにもない。警察庁は5年前の法施行時、経済産業省から古物商など中古商品を扱う業者に周知の徹底を求める依頼があったか?
(警察庁巽審議官)
施行までの間に経済産業省から働きかけはない。
(塩川議員)
中古品が対象であれば、当然周知徹底を求められるのでは? 改めて聞くが、電気用品安全法、電気用品取締法の法令集中に中古品についての記述が一つでもあるのか?
(迎陽一流通審議官)
中古品が該当するなら警察に周知をするべきだという意見があるが、結果として周知が十分でないというのは認めるべきだが、周知を求めていなかったから中古品は含まないということではない。電気用品取締法の時代から当然含まれるという前提で進めている。パンフレットの配布や説明会の実施を行っている。
(塩川議員)
質問に答えてもらっていない。電気用品安全法、電気用品取締法の中に中古品ということは書いてあるのか、ないのか?
(迎陽一流通審議官)
書かれているのか、私は確認をしてきていない。
(塩川議員)
その事自体が問題ではないのか? 法令集には書いてない。書いてあれば例示するはずなのに例示していない。問題ではないか。ということは本来、中古品に関しては対象外であることを示しているのではないのか。電気用品取締法のなかで取り上げられているのは製造メーカーの在庫についてである。中古については書いてない。どこにもでていない。また今回の法改正にあたって国会の議事録の中でも一言も中古について触れられてない。国会の中で一度も議論されていない。電気用品安全法の概要では、販売の制限は流通前措置に入っている。これはメーカーが市場にだす前の段階である。以上の事から中古電気商品に関しては法の適用外だから対象から外すべき。そして改めて議論すべきだ。
(迎陽一流通審議官)
再三申し上げておるとおり、中古品でもう一度販売に戻れば流通前の措置に該当する。旧法以来、中古品は対象だと解釈して行政もすすめている。周知が行き届いていない点については残り一ヶ月ではあるが、中古品を扱う方々に対して周知を心がけると共に相談に応じる。
(塩川議員)
法令集には書いていない、「中古品は含まないとは書いてないから含む」というのは、あまりにも実態からかけ離れている。そもそも制度自体中古品を前提としていないのに、無理やり盛り込んだためにこうなったんだということに対し直ちに是正と審議見直しを求める。


つまり、経済産業省の迎陽一商務流通審議官の言によれば、「電気用品安全法(および電気用品取締法)に中古品は該当する」という法令に基づく法的根拠は存在しないということになる。

また今回のやりとりで、改定前の電気用品取締法でも販売禁止の対象になっているのは製造メーカーの在庫で中古品は対象外、法施行時において、古物商を所管する警察庁にリサイクル業者への周知・徹底の依頼が経済産業省からは皆無だったことなどから、行政の対応でも中古品は対象外だったことが明らかになった。

【経済産業省の谷みどり嬢のブログ~】にもあるように、かつて経済産業省消費経済部長の谷みどり嬢のブログで掲載されていた記事コメントによれば、電気用品安全法に中古品が該当する件は「昨年末に業者側から中古品は該当するのか否かとの確認連絡があり、そのあと慌てるように経済産業省側から後付の解釈が行われた」との複数の証言もあった。今回の「法令上どこにも記載されていないから(法的根拠は無くとも)該当する」という解釈であった事実が判明したことで、今件に関する問題がさらに大きな議論の対象となることは間違いないだろう。


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(最終更新:2013/08/28)

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