楽天ポイント問題、一般メディア続報途絶えるも事態は進展中

2006年01月13日 08:30

昨年末から開催されていた楽天(4755)におけるポイント取得キャンペーンに伴うトラブル問題(詳細は【楽天(4755)、キャンペーンで付与した買い物可能なポイントを一旦取り消す】【楽天ポイント問題、大手新聞でも掲載始まる一方で対応の混乱続く】を参照)だが、各種メディアで1月11日に報じられて以降、ぴたりと続報が止まった状況。その一方、特定条件下における会員に、一時的に引かれたポイントが戻ってくるなど事態は収束の方向に向いつつある。

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楽天のIR部門やプレスリリース部門ではいまだに正式な発表はされておらず、あくまでも「単なる一部門におけるちょっとしたミス」扱いをしている感はぬぐえない。だがあまりにも問合せが多かったからか、処理の進展の報告もかねて昨日1月12日、お知らせのコーナーに次のような発表が掲載された(楽天ブックスポイントキャンペーン」お問い合わせへの回答)。

【Q】どうしてポイントが取り消されたの?
【A】今回お客様に参加していただいた企画において、企画の趣旨は異なる利用が多数見受けられたため、企画自体をいったん中止とさせていただきました。
それに伴いまして、獲得されたポイントをいったん取り消させていただきました。
---------------------------
【Q】私のポイントは取り消されたままですか?
【A】現在のところ、該当企画に参加いただいたお客様のポイントを取り消しする処理をさせていただいております。
有効な利用であると判断されるお客様には順次、ポイント取り消しの取り消し(※)をいたしております。
 (※)ポイント獲得・利用履歴ページより
 「楽天ブックスポイントプレゼント 取り消し分」の表示が消えております。
---------------------------
【Q】取り消されたポイントが戻っていません。
【A】有効な利用であると判断されるお客様には順次、ポイント取り消しの取り消し(※)をいたしております。
 (※)ポイント獲得・利用履歴ページより
 「楽天ブックスポイントプレゼント 取り消し分」の表示が消えております。
---------------------------
【Q】私のポイント取得が有効か調査をお願いします。
【A】ポイント取り消しの取り消しは順次対応を行っております。
それ以降、ポイント獲得・利用履歴にて「楽天ブックスポイントプレゼント取り消し分」の表記がないことが確認されれば有効なご利用と判断させていただております。
---------------------------
【Q】ポイントを取り消しにする判断基準はなんですか?
【A】誠に勝手ながら、不正対策やその他セキュリティ上、判断基準はお伝えいたしておりません。
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【Q】購入した商品をキャンセルしたい
【A】ポイントを利用された商品のキャンセルにつきましては店舗のキャンセル規定やお客様が注文されたタイミングにより対応が異なります。
詳細については、ご利用の店舗に問い合わせください。
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【Q】返還されるポイントは期間限定ポイントですか?
【A】本件に関して取り消しの取り消しがされた場合、付与されるポイントは通常ポイントとなります。
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【Q】ポイント取り消しが取り消されるのはいつですか?
【A】対象のお客様には順次、ポイント取り消しの取り消しを行ってまいります。
---------------------------
【Q】今回の対応は法的に問題がないのですか。
【A】当社では、法律と照らし合わせて企画を実施し、その対応を行っております。
---------------------------
【Q】取り消されたポイント分を請求されるのですか?
【A】取り消されたポイントをすでにご購入に利用されている場合、弊社(楽天)よりお客様へご請求申し上げる場合があります。
ご請求申し上げる場合には、請求方法・お支払い方法は対象者の方へ別途連絡を行います。
---------------------------

2006年01月12日
楽天株式会社

発表文を読む限りでは誠実なようでもあり、のらりくらりとしている対応のようでもある。特に法的な問題云々のところは、「あくまでもポイントの取り消しと、取り消しの取り消しの」対応には法的に問題が無いとも読めるし、「ポイントの操作はもちろん、その他様々なポイント絡みで発生した問題点」も、「法律と照らし合わせて企画を実施、対応している」とも読める。さらに厳しい言及をすれば、適法性について確約(確信)しているという表現も見受けられない。あくまでも「照らし合わせて」「対応」しているだけである(この意見について、当方は法曹界のものではないのでやはり法的根拠は無いのだが……)。

また、一部キャンペーン絡みの登録者のみ返還されていたポイントも、逐次一般登録者へその範囲を広げてきたようだ。先日夜あたりから以下のメールが着信し、履歴からポイントの取り消し項目が消え、「取り消しの取り消し」が実行されている。

********様

平素は楽天市場をご利用いただきありがとうございます。

先日、「楽天ブックスポイントキャンペーン」にて獲得された
ポイントについて、一旦取り消しする旨の連絡をさせて
いただいておりました。

ポイントの取り消しにつきましてはお客様にご心配をおかけし
誠に申し訳ございませんでした。

弊社にて確認をいたしましたところ、お客様におかれましては、
有効な楽天スーパーポイントを獲得されていることが確認できましたため
「一旦取り消したポイントの取り消し(※)」処理をさせて
いただきました。

(※)ポイント獲得・利用履歴ページより
「楽天ブックスポイントプレゼント 取り消し分」の表示が消えております。

恐れ入りますが、ポイント獲得・利用履歴ページよりご確認
いただけますと幸いでございます。

この度は、お客様に混乱を招くこととなり誠に申し訳ございませんでした。
今後とも楽天市場をよろしくお願い申し上げます。

-------
楽天株式会社
termpoint@rakuten.co.jp


今回の騒ぎに巻き込まれた人の情報によれば、楽天市場そのものへの問合せに対しては現在テンプレートによる返答のみが送付されるとのこと。そのメールには「1月18日までは同文のメールが回答として返信される」とあり、逆に考えれば18日までにはポイントの修正と「ボーダーラインの確定」に関する何らかの決定が行われると推測される。

さらに、先日の報で「店舗向けマニュアルページが誰でも閲覧可能な状態になっている」とした件については、今日の段階でようやく認証機能が追加され、閲覧が不可能になったことが確認された(しまった、ダウンロードし忘れた……)。

一方出店している各店舗の対応によるトラブルはいまだに尾を引きずっている。ポイントは戻ったがクレジットカード支払いに関する理不尽な対応は修正されていないし、それに関する正式な発表もない。

今回の対応を見るにどうやら楽天側にしてみれば、多数同時による(ましてやスクリプトの利用での自動化による)アカウントの取得での少額大量購入、そしてそこから露呈したさまざまな問題(クレジットカードがらみの問題、店舗マニュアルのセキュリティ問題、個人情報保護に関する疑惑など)は先の記事でなかば冗談として表現した、「想定の範囲外」だった可能性が高くなってきた。

彼にも日本最大のショッピングモールを謳い、JASDAQ市場にも上場している大企業としては、お粗末以外の何物でもない。プロ野球球団や放送局、損保や出版事業への参入も大いに結構だが、まずは根幹となるインターネットショッピングモールに対する経営資源の投資と体制の強化を推し進めるべきではないだろうか。もし読者の中に同社の株主がいるのなら、ぜひ「ご一考」いただきたいところだ。


■関連記事:
【楽天ポイント問題、各メディアでも報道始まる】


(最終更新:2013/09/04)

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