「借金問題の正しい解決方法」を斜め読みする

2009年02月08日 12:00

借金イメージ年度末ということもあり、毎年この時期になると不動産関連のチラシが多くポストに投函される。今年度は不動産の供給過剰状態もあわせ、チラシの数も通年の倍近く。毎日チェックして投棄するのが大変。それらのチラシの中で、気になる小冊子が入っているのに気がついた。緑の表紙に「借金問題の正しい解決方法」。当方、借金の「し」の字もないのだが、どうにも気になった。20ページほどでカラー刷りのこの小冊子、それなりにコストもかかっているはず(本業でちょうど今小冊子に携わっている最中でもある)。それをじゅうたん爆撃的にチラシと同じように配るとは、大胆不敵というか、度胸・気合があるというのか……「一期一会」という言葉もあることだし、ちょっと中身を見てみることにした(具体的ビジュアルの掲載はひかえることにする。もちろん出来の問題ではない)。

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小冊子の配り主は【若林司法書士事務所】。東京都千代田区にある司法書士事務所だ。当方の自宅は練馬区なので、相当離れた場所での勧誘ということになる。

中身は冒頭で触れられているが「クレジット・サラ金問題でお悩みの方のために作ったもの」。要は個人・個人事業者向けの、借金解決の方策として法律面からサポートが出来ないか、その提案を具体的事例をおりまぜて紹介していくというものだ。

概要をまとめると次のようになる。

破産……国の救済制度、当然の権利
・メリット……借金免除、支払い停止、法律保護、家族に迷惑かからず、安定した生活の回復
・デメリット……クレジット、ローン利用が困難に。職業上の制限。自分名義の財産処分

特別調停……話し合いで支払いの調整。裁判所が間に立つ
・利息制限法に基づいて借入残高を再確認。支払額が安くなる場合が多い

任意整理……司法書士が代理人になり、貸主と交渉
・メリット……取立てが止まる、借金額が減る、過払い金が戻る場合がある、財産処分の必要が無い、家族に迷惑がかからない
・デメリット……クレジットやローンを一定期間利用できなくなる

過払金の返還請求……「払いすぎた」利息の返還請求
・状況次第で内容は変わる。冊子では具体例として大手5社との手続きをした結果、残高がゼロになった話などが掲載

個人民事再生法……個人や個人事業者向けの再建手続き
・ある程度収入が見込めて債務総額が一定以下の人、つまり「再建の見込みがある人」が対象
・債務の一部免除、分割返済などが認められる
・再建、返済計画が必要


これら5つのパターンに分け、個人や個人事業者が抱えているかもしれない借金問題について、「知識として知っていれば、そしてしかるべきところに相談をすれば、問題は解決するかもしれない」と「気づき」を与えているのが分かる。「破産」はともかく「過払金の返還請求」などは名前くらいは聞いたことがあるが、いざ概要だけでも把握しきれているのかと考え直すと、不安になる人も多いはず。

このような小冊子が作られ、チラシのように配られるほど、世間一般で借金問題はまん延しているのかと考えるとため息が出てくる(実際、本業でも「貯蓄」「貯金」などの蓄財関連の話と共に、「借金返済」などの借金問題に関わる話をよく耳にする)。しかしそのうち少なからぬ人たちは、「使えるべき手立てを知らずに苦しんでいる」ものと思われる。【「知識は人生を豊かにしてくれる」】の話ではないが、思い余る前に、今回小冊子を投函した若林司法書士事務所>のような専門家の扉を叩いてみるのもよいのではないだろう。

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